もう1つ、クイズを出します

<クイズ>

以下のD社チャート、売り・買い、どっち? 

(注)筆者作成

出来高は「人気のバロメーター」、でも例外はある

 「出来高変化を読む(1)」で解説したように、一般的には

  • 出来高が多い=人気が高い
  • 出来高が少ない=人気が低い
  • 出来高が増加=人気が高まりつつある
  • 出来高が減少=人気がなくなりつつある

 という関係が成り立ちます。

 上記のD社チャートでも、最後の出来高急増以外は、その解釈でOKです。問題は、最後の出来高急増です。これは果たして、人気急増と言えるでしょうか?

 出来高急増=人気急増と解釈できるのは、株価が上昇しているときです。なんらかの好材料を知った投資家が、積極的に上値を追って買っていると解釈できるからです。

 ところが、株価が急落しているときに、出来高が急増している場合は、話は別です。人気急増ではなく、人気急落を意味していると考えるべきです。なんらかの悪材料を知った投資家が、あわてて売ってきている可能性があるからです。高値圏で、出来高を伴って急落するときは、売りシグナルと判断すべきです。

 

クイズの答え

D社チャートの投資判断は「売り」です。

 株価が下落しているときに、出来高が急増しているからです。何らかの悪材料をつかんだ投資家が、少しでもたくさんの株を売ろうとして、急いで売っていると考えられます。

 

(テクニカル指標を利用して投資判断する場合の注意事項)

チャートに基づく投資判断は、100%当たるものではありません。

 ただし、チャートのパターンを見ることで、統計的に今後上がることが多いか下がることが多いか判断することは可能です。統計的に、7割の確率で上昇するチャートのパターンがあれば、それは立派な買いシグナルです。3割の確率で下落しても、それは当然です。100%当たるチャートは存在しないのですから。

 チャートのシグナルを見て売買するのは意味あることです。7割の確率で上昇するパターンが出たら買いを実行、上昇すれば利益が得られます。もし外れて下がったら、さっさと損切りするだけです。同じパターンのチャートで勝負し続ければ、長期的には利益を稼ぐことができるでしょう。

▼クイズで学ぶテクニカル指標シリーズ

(1)急落した成長株

(2)反発局面を狙う

(3)トレンドを読む

(4)移動平均線とのかい離率を読む

(5)チャートの節を読む

(6)売買シグナルの使い方

(7)売りはむずかしい?

(8)売りシグナル点灯

(9)出来高の変化を読む‐1

(10)出来高の変化を読む‐2

(11)出来高の変化を読む‐3