(2)東証が発表している主体別売買動向が、一番信頼できるデータである

東証が発表している「2市場1・2部主体別売買動向」が、一番早く入手できる、信頼できるデータです。外国人が買い越している週は、日経平均が上昇する傾向が強く、外国人が売り越している週は、日経平均が下落している傾向が強いことがわかります。日本株が外国人の売買で動いていることが良くわかります。

日経平均の動きと、外国人投資家の売買動向(売買差額):2015年1月5日―2016年4月12日

(出所:東証データより楽天証券経済研究所が作成)
(注:外国人の売買動向は、プラスが買い越し、マイナスが売り越しを表す)

欠点は、発表までに時間がかかることです。1週間の売買データがわかるのが、次の週の木曜日の夕方となります(月曜日が祝日の場合は金曜日発表になる)。1週間以上遅れて発表されるとは言え、正確性が高いことから、情報価値は高いといえます。

(3)外国人売買データの利用の仕方

昨日のレポートに書いた通り、次のように考えます。

  1. 外国人が毎週連続で買い越している時  →  強気
  2. 外国人が毎週連続で売り越している時  →  弱気
  3. 外国人が1週間ごとに買い越したり売り越したり変わる場合 → 中立(判断不能)

相場の転換点は、外国人の売買動向が変わるところから、始まります。売り越しが続いていた外国人が、ある時、週間で買い越しになったことがわかった時、どう判断するかが重要です。ここから毎週買い越しに変わると判断するか、あるいは、売り越し・買い越しが交互に出るパターンが始まったと判断するか、読みが重要です。

それを判断する決まった方法は、ありません。物色動向や売買のやり方、市場の噂などを総合的に判断して、新たな買いトレンドが始まったか否かを考えなければなりません。

本レポートでしばしば、「産油国が売ってきている」「海外ヘッジファンドの売りが出ている」「日経平均リンク債からみの先物売りが出た」「公的年金の買いが止まった」などのコメントを載せていますが、それは、私独自の情報の取り方と読み方から出ています。東証が公表するデータに加えて、こうした市場を動かす投資家の動きを観察することが、外国人の売買トレンドをなるべく早く掴むことにつながります。