投資ヒストリー&投資哲学を教えて!

過去最大の失敗談は?

お金を増やすことに集中するあまり、「コスト」への意識が過剰に…

 投資初心者時代は「価格」、つまり株価しか見ていなかったようで、お金が増えれば、それでいいじゃないか、という感じでした。そのため、投資信託を買うときも、販売手数料や信託報酬など「コスト」への意識が過剰すぎました。

 投資の果実、リターンの源泉は、「コスト」ではなく、投資先の会社が創り出す「価値」だということを腹の底から理解できていませんでした。

 投資する会社が生み出す「価値」が本当に社会に必要なものであれば、「価格」もあとからついてくるし、「コスト」をかけてでも投資したほうがいい、という信念にようやくたどりつくことができました。

 ただ、こんなふうに振り返ることができるのも、ぼちぼち順調に資産形成ができた、つまり、投資してお金がもうかったから。投資に成功した結果として、考え方にも余裕が持てるようになったことが大きいと思います。その意味では、私と同様、初心者の方がこだわりがちな「コスト」を意識した投資にも感謝しています。

過去最大の成功談は?

退場せず、コツコツ長く続けられたこと!

 投資を始めて16年、ここまで「コツコツと長く続けられたこと」が一番の成功体験だと私は思っています。大損して泣く泣く撤退ということもなく、また、これまでの人生の中で、大きな資金需要が発生しなかったのは幸運でした。

 信頼できるファンドマネジャーさんや運用会社の皆さんと、投資信託の購入を通じて出会えたことも本当に良かったと思います。結局、投資とは、自分のお金の「その先」をしっかりと自分の目で確かめることだと思います。

 投資の果実やリターンは、目先の価格変動から生まれるものではないこと。投資先が創り出している「価値」からもたらされるものだ、ということを腹の底から理解すると、基準価額の日々の上下動はまったく気にならなくなります。

 さらに、投資信託を通じて、自分の大切なお金を託そうとしている人たちの話をナマで聴いてみること。また、どんな投資家たちが自分と同じファンドに集っているのか、同じ船に乗っている(運用会社、投資家、投資先)のは誰か、ということに気を配るのも大切だと思います。

これまでの投資で買ったお宝を教えてください!

 今の時点では投資を通じた実現益はなくて、ほぼ全てが評価益です。「違うな」と感じるファンドを解約して実現益が発生しても別の「これだ!」というファンドに再投資しています。というわけで、高価な買い物のために現金化したことがありません。なので、今年出会えたIKEUCHI ORGANICのタオルを。

失敗や成功を通じて学んだこと・投資哲学は?

 価値を持続的に創りだす会社を日々、発掘しているファンドマネジャーや投信会社を見つけ出して、月次レポートやイベント参加などでその運用方針を徹底的に確認。納得したら少しずつお金を投資して関係を作っていく。このスタイルをこれからもずっと続けていきたいですし、磨いていきたいです。