投資資金に余裕ができたら……

 皆さんが少額の投資資金で初めて海外ETFを購入する場合、例えば「iシェアーズMSCI ACWI ETF(ACWI)」とか、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)」のように、世界の株式市場を丸ごと買えて、しかも優れた分散効果を低コストで得られるETFを一つだけ購入するという方法は、決して間違っていないと思います。いや、むしろそこから始める方が無難だとすら言えます。

 しかし、追加投資資金ができて、2銘柄、3銘柄というふうに増やしていけるのであれば、仮にETFだけで投資するにしても、第7章の「アセット・アロケーション」で説明したようにETFを分散することが好ましいのです。

図:自分で作るポートフォリオの一例(自己資本の割合)

出所:コンテクスチュアル・インベストメンツ

 取引所閉鎖リスクというものを考えた場合、ニューヨークだけでなく香港やシンガポールに上場されているETFにも少し分散しておくというやり方も良いと思います。

 ただし、あまり分散し過ぎると、ポートフォリオ管理の手間が増え、コストも割高になるので、この辺も考えあわせながら、ETF投資を楽しんでください。

■海外ETFデビュー講座は、この第8章で完結です。10月11日(金)から「米国株デビュー講座」を公開しています。ぜひお読みください。