自分で作るポートフォリオ

 全ページで説明した二つのETFは世界の株式市場を丸ごと買ってしまうETFなので、こと株式というアセットクラス(=資産の種類のこと)に関する限り、それ以上、ゴチャゴチャ手を加える必要はありません。

 しかし、世界の株式市場のありのままの時価総額構成比とは違う比率で、自分の考える理想のポートフォリオを構築したいという場合は、いくつかのETFを寄せ集めることで自分だけのポートフォリオを作ることもできます。

 その場合、あまり偏ったポートフォリオになってしまわないために、いわば「白いご飯」的に、ポートフォリオの基礎となる、コアのETFをしっかり組み入れておくことをお勧めします。具体的には米国のマーケット全体に投資する「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)」などが良いでしょう。このETF一つで米国の3,606銘柄に投資したのと同じ効果が得られ、費用比率が0.03%と極めて低い点も魅力です。

 米国の株式市場は世界の株式市場全体の約57%を占めています。従ってそれをおおまかな目安として、自分の投資資金の60%程度をバンガード・トータル・ストック・マーケットETFに投入し、残りは自分の好みに合わせて、例えば「iシェアーズMSCI EAFE ETF(EFA)」のような米国以外の先進国に投資するETF、さらに「iシェアーズMSCIエマージング・マーケッツETF(EEM)」という新興国に投資するETFなどでメリハリをつけるというのも一つのアイデアです。

図2:自分で作るポートフォリオの一例(自己資本の割合)

出所:コンテクスチュアル・インベストメンツ

 

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