ETFと分散効果

 いま自分の手持ちの投資資金全額を、一つの個別銘柄に突っ込んだとします。すると、その銘柄がたまたま急上昇した場合、高い投資リターンが得られます。これが先に述べた「リスクをたくさん取った方が偶然ラッキーで儲かったときのリターンが大きくなる」例です。

 しかし、実際には自分の買った個別銘柄が期待通り上がってくれないことも多いです。株価指数がちゃんと上昇しているのに、自分の持ち株だけ上がらないことほどイライラする状況はありません。

 このような、間違った銘柄を選んでしまうリスクは、投資する銘柄数を増やすことによって軽減することができます。

 典型的なETF(上場投資信託)は株価指数をなぞるように設計されています。するとETFを一つ購入しただけで、あたかもその指数に採用されている銘柄全部を買い付けたのと同じような分散投資ができるわけです。個別銘柄ではなくETFを買うことの大きなメリットは、まさしくこの点にあります。