グラフの「開始時期」と「終了時期」に注意

 上記でグラフ4とグラフ5とグラフ7の比較をしました。気をつけていただきたいのは、「すべてデータの最後が2019年7月末」になっていることです。グラフ4とグラフ5とグラフ7は、「データの開始時期をずらしただけ」ですが、「データの終了時期をずらしたらどうなるか」を確認してください。やりかたは簡単で、例えば、2012年12月末でデータを終了したい場合は、そこから先のデータを隠すだけです。

 何のためかと言えば、最近出回っている長期投資、分散投資、もろもろのデータやグラフが、バブル後の高値圏である「現在」が終了時期となっているからです(ある意味では、最新データまで出すのは当たり前なんですが)。

「高値圏が最後」になっているグラフを作れば、「運用がうまく行った」ように見えるのは当たり前です。グラフ5だって、途中までは、先ほど説明したとおり、損失時期が長いわけですが、最後は大幅プラスになっているわけですから。ちょっと長くなってしまいましたが、これが先ほど出てきた「なんとなく不安」の正体です。