日本株と米国株の比較

 日本株が、「長期投資に向いている」のか、「積立投資に向いている」か、米国株と比較してみたいと思います。いずれも株式市場全体を表す意味で、日本株はTOPIX(東証株価指数)、米国株はS&P500で比較します。

グラフ2 <TOPIX(配当込)の1989年1月末~2019年7月末までの月次データ>

Bloombergデータより楽天証券作成

グラフ3 <S&P500(配当込)の1989年1月末~2019年7月末までの月次データ>

Bloombergデータより楽天証券作成

 ・・・同じ時代の株式市場とは思えないくらい、差があります。

 30年半の間に、日本株は2,464ポイントから2,360ポイント米国株は297ポイントから2,980ポイントとなりました。確かに日本株は不動産バブルの絶頂期からデータが始まっているのですが、それにしても差がありすぎと思いませんか?

 米国では、ITバブル(2000年ごろ)、リーマン・ショック(2008年)を経験していますが、現在の値は、そのときの高値である1,500ポイントの約2倍。日本株はITバブルとリーマン・ショックの直前高値は約2,000ポイントで、現在は1.18倍程度。どちらが長期投資向け、積立投資向けであるかは一目瞭然です。

 米国民の株式保有比率が日本国民より高いのは当然で、むしろ「なんで預金にしておくの?」って、聞かれてしまうかもしれません。

 米国は、政府のコントロールが上手だから(かどうかは分かりませんが)、株式に投資した場合、米国株(上のグラフ3)のように推移し「しばらく保有していれば徐々に高値を更新した」ため、国民は安心して株式に投資することが可能でした。

 一方の日本は、日本株(上のグラフ2)のように推移をしていたので、ながーい目で見れば、プラスになりそう……と言った程度。これでは、なかなか投資に踏み出せない人がいるのも理解できます。「長期投資や積立投資は長い目で見てプラス」という記事を目にしますが、「正しいとは思うものの、なんとなく不安」という気持ちになります。