下落相場の見極め

 以上を踏まえて、「下がったところ」を見極めていきます。

 例えば、グラフ2で出てきたTOPIX(配当込)です。グラフは30年半ありますが、開始時期の1989年は不動産バブル期、終了時期はアベノミクスと世界的量的緩和期であることを考えると、他の期間は、概ね1,000ポイントから2,000ポイントの間に集約されます。

 例えば1,500ポイントを下回ったところまで下げてきて、「下げ止まったかな」と感じたら開始してみるのもひとつの手です。ぴったり「下げ止まったところ」を当てなくても、「大体下がったところ」と決めて投資すれば、グラフ7のように、その後も大きな損はせずに運用していくことが可能になると思います。

 同じように、日経平均株価指数なら1万円から2万円を中心価格帯とし、例えば1万5,000円や1万4,000円をターゲット価格(その値段を下回ったら、下げ止まったと感じたところで買い始める)と決める。J-REIT指数なら、1,000ポイントから2,000ポイントを中心価格帯とし、例えば1,500ポイントや1,200ポイントをターゲット価格に決める、といった考え方をしてみてはいかがでしょうか。

 なお、「しまった!もう積み立て、始めちゃった!!」という方、あわてて解約する必要はありません。上記の、「ターゲット価格以下で下げ止まったな」と判断するまで、少しづつ、手元資金をためておいて、「下げたところでまとめて追加投資する」ことで、その先の運用の安定性が増すことになります。

 さらに、「下げたところから、積み立て金額を増やす」といった戦法もあると思います。