日本株を凌ぐパフォーマンスの外国株を知る
実際、日本株のパフォーマンスは外国株と比較して劣勢を続けています。図表2は、ブラジル、インド、米国、中国の株価指数と日本のTOPIXについて、2018年初を100として比較したものです。
昨年も今年前半もブラジル、インド、米国の株価指数が史上最高値を更新した一方、日本株は「中国株の低調」にお付き合いを余儀なくされている印象です。事業のグローバル化を推進してきた日本企業は、程度の違いはあれ「外需拡大のコア」として中国にコミットしてきました。
したがって、経済成長率が減速傾向を辿るなか、米中貿易戦争の余波が中国向け設備投資や部材需要の鈍化を介して業績見通し不透明感に繋がっています。
加えて、米金融政策がハト派に転換したことによるドル売り・円買い(円高)観測が根強いことも不安要因とみなされています。10月の消費税引き上げがほぼ決定したこと、東京五輪開催に向けた特需(建設需要)減退なども視野に入れると、外国人投資家の長期資金も日本株の買い越しに転じにくい印象があります。そもそも10年連続で総人口が減少(10日に総務省発表)し、日本の成長期待は相対的に鈍化しています。
一方、大統領選挙や下院総選挙を経て「構造改革期待」が高まっているブラジルやインドは総人口が伸び続け、株式指数は昨年も本年前半も史上最高値を更新しました。
日本だけでなく、先進国市場では「最強のイノベーション(技術革新)と政治経済」を誇る米国、新興国では「総人口で世界最大の民主主義・資本主義国」であるインド、約13年の社会主義政権を経て「構造改革期待が高まっている世界有数の資源国」ブラジルが有望と考えられます。