2,300円程度で外国株式に分散投資できる

 日本を除く海外株式(外国株式)に分散投資するにはETF(上場投資信託)を活用するのが便利です。

 図表3で、日本居住者が円で売買ができる東証上場の海外株式連動型ETFを参考例として示しました。下記したファンドの全てが、楽天証券が「0円ETF」と呼ぶ売買手数料無料のETF(計86本)に含まれています。

 ETF取引価格を年初来騰落率の降順で並べると、1位の中国株式に分散投資する「上海株式指数・上証50連動型投信」(1309)、2位の米ナスダック100指数に連動を目指す「NEXT FUND NASDAQ100連動型」(1545)、3位のロシア株式に分散投資する「NEXT FUND NASDAQロシア株式指数連動型」(1324)の上昇率が2割以上となっています。

 ロシアは、プーチン大統領がウクライナ問題を巡る欧米からの経済制裁を契機に、地方の農業開発を促進し「農産物の自給自足」を進めてきました。その結果、一部穀物の輸出額で世界最大国となるなどし、経常収支や財政収支が改善。その結果、S&Pやムーディーズといった格付け会社が、ロシアのソブリン債(国債や政府機関債)の信用格付けを「Investment Grade」(投資適格級)に引き上げました。

 こうしたファンダメンタルズ改善を受け、為替市場では通貨ルーブルが年初来堅調に推移。資源市況回復も追い風となり、ロシア株式(例:MOEXロシア指数)は昨年に続き今年も史上最高値を更新しました。なお、米国株や日本を除く先進国株に分散投資できるETF(1655や1657)の最低投資金額が2,300円程度であることにも注目したいと思います。

<図表3>海外株式連動型ETF(東証上場)<参考情報>

コード ETFの名称 ベンチマーク 運用
総額
取引
価格
取引
単位
年初来
騰落率
1309 上海株式指数・上証50連動型上場投信 中国上海50指数 44.8 33,050 1 28.6
1545 NEXT FUNDS NASDAQ100連動型 米ナスダック100指数 52.2 8,730 10 23.7
1324 NEXT FUNDS ロシア株式指数連動型 ロシアRTS指数 15.0 139 100 23.0
1655 iシェアーズ S&P500 米国株ETF 米S&P500指数 44.9 2,325 1 17.4
1550 MAXIS 海外株式(MSCIコクサイ)上場 MSCIコクサイ指数 87.4 2,413 10 16.5
1657 iシェアーズ・コア MSCI先進国株(除く日本) MSCI先進国
(日本除く)
72.2 2,194 1 16.1
1325 NEXT FUNDSブラジル株式連動型 ブラジルボベスパ 33.1 225 100 15.4
1546 NEXT FUNDS ダウ・ジョーンズ工業株 米ダウ工業株30種 70.0 29,050 1 15.3
1678 NEXT FUNDSインド株式連動型 S&P NCX Nifty 58.4 163 100 7.9
1658 iシェアーズ・コア MSCI新興国株ETF MSCI新興国株 36.0 1,899 1 7.0
*単位 運用総額:億円 取引価格:円 取引単位:口数 年初来騰落率:% *ETFの名称(一部は略称)
*楽天証券では上記ETFは全て「無手数料(0円)ETF」です(7月11日時点)。 *上記は年初来騰落率の降順に示した一覧表です。 *上記は参考情報であり特定の銘柄を推奨する目的のものではありません。 出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(2019/7/11)

 

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