長い歴史を有するアクテイブファンドの秘密

 伊藤さんはどんなときでも勝率6割を維持できるような、安定した打者を目指していると話す。

「短期的には7~8割の勝率を残せることもあります。しかし、一時的に7割を超えても、そのあと5割以下に転落したりしたら意味がありません。良かったり悪かったりを繰り返すことは基準価額の大きな振れにつながり、お客さまは値動きが激しいと不安を抱くことになります。ですから、私は市況や相場にかかわらず、常に安定した運用成績を残すことを目標にしているのです」

 勝負に出たくなることもあるが、そんなときもその背後に潜むリスクをよく見極め、慎重に行動するという。

「ノムラ・ジャパン・バリュー・オープン」は1997年設定というだけあり、長期保有している顧客も相対的には多い。そういう顧客の信頼を損なうようなことは絶対にできないと伊藤さんは言う。

 ただし、一方で新たな顧客の獲得にも力を注ぎたいと話す。

「最近はインデックス・ファンドが主流になりつつあり、アクティブファンドというだけで、色眼鏡で見る方がもしかしたらいるかもしれません。しかし、このファンドは中長期的に運用成果を目指すものですから、積み立てにも適しています。1997年の設定から20年以上たつこのファンドを、さらに20年先も続けていけるよう、力を尽くしたいと思います。個人的には20~30代の若い方にも積極的にアピールしていけるようにしていきたいですね」

 看板ファンドを信念と責任で背負うファンドマネージャーは常に、鳥の目、虫の目、魚の目で日本を見つめていた。

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