プロジェクトF・ファンドの挑戦者
続いて、国内株式部門の最優秀賞受賞ファンド「ノムラ・ジャパン・バリュー・オープン」を運用する、運用部株式グループに所属するシニア・ポートフォリオマネージャーの伊藤真さんに独占インタビューしました。
看板ファンドを背負うブレない「ファンド職人」
看板ファンドのファンドマネージャーに必要なのは、情熱と「こだわり」
「私にとってこのファンドは特別なものです。受賞はとてもうれしいですね」
「ノムラ・ジャパン・バリュー・オープン」のファンドマネージャーを務める伊藤真さんは言う。
一般的に日本の運用会社は人事異動などがあるため、一つのファンドを同じファンドマネージャーが運用主担当者として運用し続けることは多くないと言われる。
だが、1997年12月に設定され、同社の看板ファンドの一つである同ファンドは、設定以来1人のファンドマネージャーが運用主担当者として十数年にわたって運用してきたものだった。社内でも珍しいことだという。
その同ファンドを長年運用してきたファンドマネージャーは、2015年3月、退任することになる。このとき、ファンドマネージャーとしては若手であった伊藤さんが抜擢され、「二代目」として運用を引き継ぎ、現在に至る。
伊藤さんは、大手投資信託会社から2006年9月に入社し、当初はアナリストとして活
躍していた。その後、運用部に異動。運用チームの一員としていくつかのファンドに携わりながら、若手社員が課せられるトレーニングに励んだ。それは、仮想ファンドを数年にわたり、運用シミュレーションするというもの。彼らはその成績を競い、一定のレベルをクリアして初めて独り立ちできるという。
「前任者は、365日24時間銘柄のことを考えているような正に『プロの職人』であり人間的にも尊敬できる素晴らしい人物でした。彼が熱い想いで取り組んでいたからこそ、『ノムラ・ジャパン・バリュー・オープン』は当社の看板ファンドへと成長を遂げることができました。私は、前任者の熱い思いや歴史、運用の考え方を含めて全て引き継ぎ、全身全霊をかけて運用したいと希望しました」
トレーニングの好成績に加え、この「情熱」が、歴史ある同ファンドの後継者に選ばれた理由のようだ。