平成の日本経済どうだった?グラフで一挙に振り返り

 バブル経済の崩壊、消費税導入、アジア通貨危機、長野オリンピック開催、リーマン・ショック、3.11世界同時多発テロ、世界不況、自然災害多発…さまざまな出来事があった激動の平成30年間。その間、日本経済はどうだったのか? さまざまな経済指標、数値を10年ごとに比較し、平成の日本経済をグラフで一挙に振り返ります。

国の借金(国債残高)累積と、国民1人当たりの借金額推移(図1)

出所:財務省「国債等関連諸資料」、総務省 「人口推計」
左軸:国債残高(兆円)
右軸:国民1人当たりの借金額(万円)

 平成元年から約5.5倍にも増えた国の借金。不況にあえぐ国内の景気浮遊策として公共事業を増やしたり、少子高齢社会に対応するため、社会保障費支出が増大したりしたことが要因です。平成30年時点では約883兆円と、国民1人当たりに換算すると約700万円にも上ります。

 

人口推移(図2)

出所:総務省 「人口推計」
単位:億人

 第2次ベビーブームの最中の昭和48(1973)年には210万人だった日本の出生数は年々減少し、平成28(2106)年は、98万人と過去最低の出生数を記録。一方、65歳以上の高齢者人口は、平成2(1990)年に1,493万人、総人口に占める割合(高齢化率)は12.1%でしたが、平成29(2017)年には高齢者人口が3,515万人、高齢化率は27.7%という、いびつな人口構成となっています。

 

労働力人口推移(図3)

出所:総務省 「労働力調査」
単位:万人

 労働力人口とは国の経済成長を推測する指標の一つで、「人口のうちどれくらい働いているか」を指します。平成年間では増減を繰り返していますが、高齢者の雇用延長が促進されている中、今後数年間は微増することも予想されます。

 

完全失業率、有効求人倍率推移(図4)

出所:総務省 「労働力調査」、厚生労働省「職業安定業務統計」
注:水色のグラフ=完全失業率(%)、黄色のグラフ=有効求人倍率(倍)

 平成5(1993)年~17(2005)年は有効求人倍率が1を切った期間。この時期は就職氷河期に重なります。その後、回復基調となりましたが、リーマン・ショック後の平成22(2010)年には雇用状況は一気に悪化し、有効求人倍率が0.52倍と最も低く、完全失業率も5.1%と最も高い年となりました。

 

男女別大卒初任給(図5)

出所:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
注:水色のグラフ=男、黄色のグラフ=女
単位:万円

 デフレ不況が続いていると言われている平成年間では、就職氷河期をはさみながらも、大卒初任給は上昇し続けています。少子高齢社会が急速に進む中、ますます若年層人口の賃金は、上がっていくものと考えられます。

 

賃金推移(図6)

出所:厚生労働省「毎月勤労統計調査」
注:常用労働者1人平均月間現金給与額(平成元年のみ事業所規模30人以上、サービス業含む。それ以外は事業所規模5人以上の賃金)

 大卒初任給(図5)は上昇している一方で、労働者全体の賃金は下げ続けています。

 消費者物価指数(図10)と見比べてみると、平成元年から比べて物価はやや上昇しているものの、労働者賃金は減少。この相反する数値は非正規雇用が増加しているなど、雇用構造の変化が表われていることも考えられます。

 

倒産件数、倒産負債総額推移(図7)

出所:東京商工リサーチ「倒産件数・負債額推移」
左軸:倒産件数(万件)
右軸:倒産負債額(億円)

 バブル崩壊前の平成元(1989)年には約7,000件だった倒産数は、平成10(1998)年では倍を超える約1.9万件に。負債総額も平成元(1989)年には1兆2,000億円が、平成10(1998)年は13兆7,000億円にもなりました。倒産を免れるため、ライバル関係にある大企業間でも合併や買収が多く行われました。

 

住宅着工件数推移(図8)

出所:国土交通省「建築着工統計調査」
単位:万戸

 バブル崩壊前の1980年代は、不動産を持てば必ず値上がりすると信じられていた時代。立ち退きを強制する地上げ屋も横行していました。その後、バブル崩壊から一気に冷え込んだ住宅着工件数は、ますます減少の一途となっています。