利益確定をどうすべきか?

 もう一つ、筆者を最近悩ませているのが、「株価がせっかく25日移動平均線を超えて上昇してもすぐ伸び悩み、25日移動平均線を割り込んでしまう」ことです。
 イメージとしては、買った後、株価が10%、20%と上昇したもののそこで反落し、25日移動平均線を割り込んでしまったため、結局は利益どころか損切りで終わってしまうという形です。

 株価が25日移動平均線を超えて上昇を続ける期間が長ければ、その後25日移動平均線を割り込んでから売却しても、大きな利益を得られることができます。
 しかし最近は上昇期間が短いので、25日移動平均線を割り込むのを待ってから売却すると、全くと言ってよいほど利益が得られないのです。

 そこで、まだ株価が上昇トレンドの途中であっても、伸び悩みのリスクを考慮して買値から10%、20%程度の利益が得られた時点で売却してしまうという方法もあります。

 この方法は、株価が上昇している期間が短い下げ相場であれば有効です。しかし、株価上昇が長期間続く大相場となった場合は、売却した後、株価がさらに2倍、3倍と大きく上昇してしまうのを取りこぼしてしまうことになります。

 保有し続けることでせっかくの利益がなくなってしまうリスクと、大きな利益を取り損ねるリスク、どちらのリスクを重要視するかで売り時の方針を決めるようにしてください。
 筆者は今のところ、上昇トレンド途中で小さい利益で売却する方法は基本的に取ってはいません。しかし今後の株価の動きによっては、真剣に検討せざるを得ないと感じています。

 

ポジション管理で過剰なリスク回避を

 筆者が重視しているのが、ポジション管理による過剰なリスク回避です。上昇相場が長く続かず、すぐ腰折れしてしまうと、保有していた株も値下がりし、損切りを余儀なくされることが増えてきます。

 こんなとき、例えば投資可能資金のほぼ100%に近いような強気のポジションを取っていると、損切りによる1銘柄当たりの損失は大したことないものの、それが大量に発生することで無視できない金額になってしまいます。急速に株価が下落するようなケースだと、損切りの合計が10%にも達してしまう可能性もあります。

 でも、株式への投資を投資可能資金の30%に抑えておけば、突然の急落により損切りが10%に達してしまうとしても、総資金からみれば30%×10%=3%の損失にとどめることができます。

 筆者のブログでは、筆者が投資可能資金のうちどの程度の金額を株式に投資しているかを示す「ADA指数」を公表しています。11月末時点でADA指数は34.5%となっていて、これは投資可能資金のうちの34.5%を株式へ投資していることを表します。

 筆者としては、ほぼ全ての銘柄が上昇トレンドにあるような、明らかに強い相場環境にならない限りは、ADA指数の上限は50%、つまり投資可能資金のうち多くても50%分しか株式に投資せず、残り50%はキャッシュを温存する、という戦略を取っています。

 今は、世界的に株価の動向が不透明なため積極的に買いに行くのはリスクが高い一方、株価がしっかりと上昇を続けている強い銘柄も少なくないという、非常に悩ましい状況にあります。

 こんなときは、無理のない範囲で株式へ投資し、株価が上振れしても多少は利益が得られるのでよし、下振れしても損失を小さく抑えられるのでよし、という考えを持つようにしています。ここから株価がどう動いても致命的なダメージを負わないようにしておくのがよいと思います。