いよいよ世界が注目する重大イベント、米国の中間選挙実施へ

 今日(11月6日)、米国で中間選挙が実施されます。焦点は、トランプ大統領の共和党が、上院・下院それぞれで過半数の議席を維持できるか。事実上、米国民による、トランプ大統領の信任投票となります。選挙結果は、日本時間で7日午後に判明する見込みです。

 中間選挙の結果次第では、トランプ政権の政策実行力に大きな影響が出ます。共和党が予想以上に勝てば、大統領の権限は強くなり、思い通りに政策を実行しやすくなります。対抗勢力の民主党が勝てば、大統領の政策実行が難しくなります。

 結果が判明する7日午後には、株式や為替が大きく動く可能性があり、注意を要します。選挙は水物で、直前の予想はよく外れますが、現状の市場コンセンサスは以下の通りです。

【1】市場が想定するメインシナリオ
上院では、共和党が過半数を維持。下院では、民主党が過半数を奪還。

【2】共和党が予想以上に勝つシナリオ
上院・下院ともに、共和党が過半数を維持。

【3】民主党が予想以上に勝つシナリオ
上院・下院ともに、民主党が過半数を奪還。

 直近に実施されている各種世論調査から、メインシナリオは【1】のようになっています。最初、民主党が支持率で大きくリードしていましたが、最近になって、共和党が急速に支持率を回復。今、両者の支持率は僅差(きんさ)で拮抗(きっこう)しています。それを受けてのコンセンサスです。

 ただ、今の流れを受けて、共和党がさらに優勢になっているとの見方もあります。シナリオ【2】もあり得る、との見方が少しずつ増えているところです。

 2016年の米大統領選では、各種世論調査がトランプ大統領の敗北を示唆していました。ところがふたを開けてみると、結果はトランプ大統領の勝利でした。なぜ、世論調査は当たらなかったのでしょうか?

 世論調査は、幅広い層に分散して実施していますが、それでも一定の偏りがあることは否めません。トランプ大統領を支持している層には、「このような世論調査に答えない人」が多かったと考えられます。今回の世論調査にもそのような偏りがあるかもしれません。

 そう考えるならば、世論調査の支持率が拮抗している今は、実質的には、共和党が優勢にあると考えるべきかもしれません。

 したがって、マーケットでは【1】をメインシナリオとしつつ、【2】のサプライズ(驚き)もあり得ると見ています。【3】が起こる可能性は、かなり小さいと考えられます。

選挙結果が出た後、株・為替はどう動くか?

 メインシナリオ通り【1】の結果ならば、サプライズはなく、マーケットの反応は限定的でしょう。ただし、【2】または【3】の結果ならば、サプライズです。株、為替が大きく動く可能性もあります。

 あくまでも市場コンセンサスですが、共和党が予想以上に勝つ【2】ならば、株高、ドル高(円安)になり、民主党が勝つ【3】ならば、株安、ドル安(円高)になると、見られています。

 ただし正直、事前のコンセンサスはよく外れます。【2】でも株安になり、【3】でも株高になることは十分あり得ます。11月7日(水)の午後に判明する結果と、市場の反応については、8日(木)朝のレポートで分析します。