米国株式の最高値更新を受け、2万2,500円台を回復して引ける

先週の予測

日米ともに23日(木)に祝日をはさんだ中、方向感のない展開を想定しました。注目材料を米国の税制改革法案の審議とし、基本的には、2万2,000~2万2,500円のレンジの中の動きを想定。税制改革法案が難航すれば2万2,000円を試し、年内成立が高まれば2万2,500円を上回ってくるとしました。

結果

税制改革法案はそれほど材料視されず、経済指標が予想を上回ったことや、ハイテク株が買われたことで米国の3指標は2日連続の最高値更新。これにつれて日経平均も、週始めは▲135円の2万2,261円でしたが、そのあと3日続伸となって2万2,550円で引けました。
 週始めの20日(月)は、前週末の欧米株安を受け主力株中心に利益確定売り優勢となり、一時▲181円の2万2,215円まで下げ、▲135円の2万2,261円で引けました。
 21日(火)は、欧米株高と円安で買い先行となり、+195円の2万2,456円で寄り付きましたが、買い一巡後は利益確定売りで上げ幅を縮小し、+154円の2万2,416円となりました。 
 22日(水)は、米国市場で3指標そろって最高値更新したことを受け+185円の2万2,601円で寄り付き、一時+260円の2万2,677円まで上昇。しかし、前日と同じように買い一巡後は上げ幅を縮小し、+106円の2万2,523円で引けました。 
 休日明けの24日(金)は、前日に中国株式が大幅安となり、為替も1ドル=111円台の円高となっていたことで、▲133円の2万2,390円で寄り付きました。その後は、円高一服とグローベックスの米国株式の先物が堅調だったことや日銀のETF買い観測もあり、プラスへ転じて+27円の2万2,550円と3日続伸しました。
 24日(金)の米国市場は、連休の谷間での時間短縮取引でしたが、クリスマス商戦がスタートしたブラック・フライデーは、オンライン販売の好調もあって盛況となり消費関連や半導体が相場をけん引。NYダウは+31ドルの2万3,557ドル、S&Pとナスダックは最高値を更新しました。シカゴの日経先物は、為替が111円台の円高にもかかわらず+70円の2万2,650円でした。

海外の材料が強弱交じりあい、2万2,200~2万2,700円のもみ合いが基本

今週の予測

 海外要因に影響を受けることになります。米国の年末商戦が好調ならば、米国株高となって日経平均も連動することになりそうです。一方、為替が2018年度のFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げペースが遅くなるとの見方からドル売り・円買いの流れとなれば、日経平均の上値は限定的となります。
 さらに、30日のOPEC(石油輸出機構)総会で来年の3月以降の減産の合意ができないと、原油価格は大きな調整となる可能性があります。需給面では海外投資家が2週連続で先物と現物の合計で売り越しとなっており、この流れがどうなるのか要注意となります。 

(指標)日経平均

先週の結果

 23日(木)が日米ともに祭日となっており、海外資金の流入が減少して商いは盛り上げに欠ける展開を想定。大型株に利益確定売りがでやすい一方で、中小型株物色となりそうだとしました。
もみあいを想定し、下値では2万2,000円を守れるかどうかとしました。

結果

 週始めの20日(月)に2万2,215円まで下げたあとは、米国株高を受け、祭日をはさんで3日連続高となり、+27円の2万2,550円で引けました。為替は1ドル=111円台の円高で引け、米国株高と日銀のETF買い観測の上昇でした。


今週の予測

 為替がドル安傾向にあり、上値は限定的といえます。柴田罫線で分析すると、2014年4月11日の1万3,885円からの上昇トレンドを抜いて11月9日に2万3,382円まで上昇して、押し目を形成していますが、11月16日の2万1,972円を守ることが出来なければ調整入りの可能性が出てきます。今週は2万2,200~2万2,700円のもみ合いが基本です。

 

(指標)NYダウ

先週の予測

 税制改革案の審議が調整が注目材料となる一方、23日(木)が感謝祭で休日のため閑散相場となりやすく、方向感のない相場を想定しました。

結果

 経済指標やテクノロジー株は買われ、週前半は3指標そろって最高値更新。その後はナスダックは休日をはさんで最高値更新するものの、NYダウはもみあって週末は+31ドルの2万3,557ドルで引けました。22日(水)発表の10月FOMC(米公開市場委員会)議事録の内容で2018年度の利上げのペースが遅くなるのが好感され、ドル売り・株高となりました。

今週の予測

 週初めは先週の感謝祭明けの週末の小売各社が売上動向を発表することになっており、ネット販売期待が大きいことで、予想を上回れば株価の上昇要因となります。一方で30日(木)はOPEC総会で減産延長についての議論があり、もたつくようだと原油価格の急激な調整も考えられます。最高値圏でのもみ合いとなりそうです。

 


(指標)ドル/円

先週の予測

 税制改革法案が下院と上院の間での一本化がうまく進まなければ、ドル安・株安の動きとなるが、12月利上げは確実視されているのでドルの下値は限定的とし、110~113円のレンジを想定しました。

結果

 税制改革法案は先週は材料にはなりませんでしたが、22日(水)のFOMCの内容が低インフレが継続しているというコメントがあり長期金利が上げ渋る動きとなってドルが売られ、さらに10月耐久財受注速報値が予想を下回ったことで1ドル=111.07円までドルが売られました。週末の引け値は111.55円でした。

今週の予測

 ドルは上値が重い展開となりそうです。インフレ率の低下を受け金利の正常化(利上げ)を早急に進めることへの懸念がでてきており、又、税制改革法案の遅れが続くようだとドル売りになり、欧州では利上げ期待が高まっていることでユーロ買い・ドル売りから円買い方向になりやすいといえます。110~113円のレンジを想定。