先週のTOPIXは節目の2,000p超えも

 先週末17日(金)のTOPIX終値は1,991pでした。週末時点で維持はできなかったものの、前日の16日(木)には節目の2,000pに乗せる場面があるなど、2,000pの攻防が意識されている格好です。チャートを過去にさかのぼると、昨年の11月や8月の戻り高値超えも視野に入っています。

 さらに、先ほどもポイントになっていた25日移動平均線については、日経平均よりも早く、「パーフェクト・オーダー」を達成しており、チャートの見た目は日経平均よりも強い印象です。

 ただし、最近の値動きが「上昇ウェッジ」を形成しているように見えるのが気がかりです。上昇ウェッジは下値の切り上げが明確なため、一見すると強いのですが、「がんばって下値で買っている割に上値を伸ばせていない」状況を示しているため、実はこの後に失速することが多いパターンとされています。

 そのため、目先のTOPIXは株価が調整する可能性がありそうですが、上を目指すトレンドが崩れると判断するには、まだ時間が掛かります。

図4 TOPIX(日足)の線形回帰トレンド(2023年2月17日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 上の図4はTOPIXが昨年3月につけた安値を起点とする線形回帰トレンドです。

 TOPIXの推移は、株価の大きな上げ下げを繰り返しながらジワリと右肩上がりを形成しているため、高値や安値同士を結ぶ、外郭のトレンドラインを描きにくくなっています。そのため、図4のように、値動きの中心線でトレンドの方向をつかんでいきます。

 先週末17日(金)時点のTOPIXはプラス1σのところで上値が抑えられていますが、全体的には緩やかながらも、上方向のトレンドを描いているほか、過去の株価の戻り局面ではプラス2σをうかがう動きを見せており、株価の調整後に、プラス2σを目指す動きがあってもおかしくはありません。

 なお、プラス2σ近くのTOPIXの株価水準は2,050pあたりですが、先週末時点からはざっくり2.5%ほどの上げ幅になり、まずは2,000p台乗せを定着できるかどうかが注目されます。

 このように、日経平均は2万7,500円、TOPIXは2,000pといった、株価の「節目」への意識を中心に、今後の値動きについて見てきましたが、こうした節目への意識は米国株市場でも確認できます。