8月の株主優待銘柄

 8月の優待株は土日を挟まない最短スケジュールです。8月29日(月)が権利付き最終日翌8月30日(火)が権利落ち日月末の31日(水)が権利確定日になります。

 優待を獲得するためには、8月29日(月)までに株を買って、翌30日(火)まで保有している必要があります。

 8月は2月が決算期末の流通・小売り関連の優待株が多く、銘柄数も100に増えます。

 人気の高いスーパー、家電量販店、外食、百貨店の優待が多数あり、特に外食系優待は8月、2月の年2回優待が多くなっています。また、継続保有条件がない優待株も多いので、現物買いと信用売りを行うクロス取引(つなぎ売り)(※)で優待権利を取得するクロス取引での権利取得も狙えます。

※つなぎ売りの注意点について詳しくは、楽天証券ウェブサイト『リスクを抑えて株主優待を獲得する「つなぎ売り」について』をご覧ください。

 ランキング8位以下で、2月、8月の年2回優待かつ継続保有条件がないスーパー、外食系優待には、

  • スーパー「マルエツ」などを首都圏に展開するユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(100株で3,000円分の優待買物券)
  • 居酒屋「磯丸水産」「鳥良商店」のSFPホールディングス(100株で4,000円分の食事券)
  • 長崎ちゃんぽんのリンガーハット(100株で1,650円分の食事券)
  • 居酒屋「庄や」「満点酒場」の大庄(100株で3,000円分の食事券)
  • 「大阪王将」のイートアンドホールディングス(100株で8月は2,000円分、2月は3,000円分の食事券など)
  • 「カレーハウスCoCo壱番屋」の壱番屋(100株で1,000円分の食事券)

などがあります。

 8月優待株の人気トップは、全国に「イオン」「マックスバリュ」「まいばすけっと」などを展開する日本一の流通企業イオンです。

 カタログ系「ふるさと優待」で人気No.1のオリックスが2024年3月末で優待廃止を決定したこともあり、今後はイオンが全優待株の中で最も人気の高い企業になりそうです。

 それぐらいイオンの優待は生活密着型で、イオン系列のスーパーを利用している人にとっては生活必需品といっても過言ではありません。

 8月・2月末、100株保有の場合、発行された「株主優待カード」を提示して買物すると、半年間の買物総額の3%分が後日、キャッシュバックされます。

 毎日20日、30日の「お客さま感謝デー5%割引」との併用も可能です。

 イオンはプライベートブランド商品「トップバリュ」の価格を6月末まで据え置くなど、物価高が続く中でも安易に値上げしない、消費者にやさしい企業です。株主優待を活用すれば、さらに食品、生活日用品を安く購入できるので、物価高の今は大助かりです。

 株主優待カードの提示で、イオンハートのレストランでの会計が10%割引になったり、イオンシネマの映画鑑賞が1,000円になったりするなど、系列会社の優待特典も多数。

 1,000株以上を3年以上継続保有すると、2月末に2,000円分のイオンギフトカードも贈呈されます。

 イオンはコロナ禍の中、前期(2022年2月期)に黒字転換を果たし、今期(2023年2月期)も大幅な増収増益を予想しています。株価は2021年2月に3,675円の高値をつけたあと長期下落傾向にあり、現在は2,300円台です。

 長期保有を前提に考えれば、かなり割安な株価水準まで下がっています。

 イオンのヘビーユーザーなら、100株3%の返金から、500株4%返金(約118万円の投資金額)、1,000株5%返金(約235万円)へのグレードアップも考えてみたいところです。

 第2位は家電量販店のビックカメラ。8月末は100株保有で買物券1,000円分の他、保有期間1年以上なら1,000円分、2年以上なら2,000円分がプラスでもらえます。2月末は保有期間にかかわらず2,000円分です。

 同社は家電だけでなく日用品の品ぞろえも豊富。ネット通販サイト「ビックカメラ.com」でも利用できるので、使い勝手のいい優待といえるでしょう。

 第3位は「はなまるうどん」も展開する牛丼チェーンの吉野家ホールディングス。2022年2月末から優待券が300円券から500円券に変更され、100株保有だと優待金額が減額されてしまいました。2月・8月末、100株保有で2,000円分の食事券が贈呈されます。

 頑張って200株(投資金額約50万円)保有すると、年2回、5,000円分と株数以上にもらえる金額が上がり、お得度が高まります。

 同社は元常務の舌禍事件など不祥事がありましたが、価格値上げなどを好感し、株価自体は堅調です。

 第4位は全国の商業施設などに「デザート王国」「しゃぶ菜」などを展開するクリエイト・レストランツ・ホールディングス。

 8月・2月末、100株保有で2,000円分の優待券が贈られます。1年以上の継続保有で、400株なら年間4,000円分が追加贈呈されます。

 同社の店舗はイオンモールに多いので、人気No.1のイオンの優待と組み合わせて利用できる点も魅力です。

 第5位は喫茶店チェーンのコメダホールディングス。2月・8月末、100株以上一律で、優待用のプリペイドカード「KOMECA」に1,000円分がチャージされます。

 第6位は百貨店の高島屋。2月・8月末、100株保有で、30万円を上限に買物が10%割引になる株主優待カードが贈られます。人気の高い、有料文化催への無料入場特典もあります。

 第7位はベビー用品の西松屋チェーン。2月・8月、100株保有で1,000円分のプリペイドカードが贈られます。

 3年以上の継続保有なら2月末に500円分が追加贈呈されます。

 同社は2月20日が決算期末で、8月優待の権利付き最終日は8月17日(水)と早いので、注意しましょう。

 第8位は学習塾の明光ネットワークジャパン。8月末、100株保有で500円分のクオカードが進呈されます。3年以上継続保有すると1,500円分に増額されます。

優待取得は物価高への対抗手段!イオン優待の存在感UP

 世界的な物価上昇の波は日本にも押し寄せ、20数年ぶりの歴史的な円安による輸入価格の高騰もあり、日本でも生鮮食品を除く5月のコアCPI(消費者物価指数)は前年同月比2.1%も上昇しました。

 光熱費やガソリン代に直結するエネルギー価格が17.1%も上昇した他、生鮮食品以外の食料も2.7%増となり、家計にとって非常に大きな負担になっています。

 その負担を少しでも解消できる生活必需系の株主優待はとても貴重です。

 特に全優待株の中でも人気が非常に高いイオンの買物代金キャッシュバック優待はインフレ加速で存在感がますますUP。近くにイオンの店舗がなくても、イオンネットスーパーなどの買物にも適用されるのがうれしい限り。

 その他、優待株には外食系やスーパーなど生活密着優待がたくさんあります。

 日頃、自分が買物や外食をする店を洗い出して、うまく利用できる優待はないか、探してみましょう。

 これだけ物価高が進むと、株主優待制度はインフレ時代の生活防衛手段として欠かせないものになってくるかもしれません。

 自分の支出状況にうまく合った、生活費を節約できる優待株中心に投資を続けましょう!