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山崎元『経済評論家の父から息子への手紙 お金と人生と幸せについて』

答えてくれた人

株式会社Gakken 出版コンテンツ事業本部
O18事業部 シニアプロデューサー 友澤和子​さん

著者ってどんな人?

山崎 元(やまざき はじめ)​氏
 経済評論家。元楽天証券経済研究所客員研究員。1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。三菱商事、野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など、計12回の転職を経る。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心にテレビ出演、メディア連載、講演多数。各種委員会委員等を務める。『リスクとリターンで考えると、人生はシンプルになる』(ダイヤモンド社)、『超簡単 お金の運用術』『ほったらかし投資術』(以上、朝日新書)、『難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!』(文響社)などベストセラー多数。「銀行でお金の相談をするな!」「お任せ運用はだめ」など、鋭い語り口で人気を博し、インデックス投資を軸にした「ほったらかし投資術」を編み出した。トウシルでも人気連載「読者の疑問にホンネで回答」などを連載。2024年1月死去。

どんな人にオススメ?

・どう生きるかに悩んでいる人
・子供を持つ親世代の人
・人生を通しての、お金との付き合い方を知りたい

 昭和時代の働き方常識が通用しなくなったいま、「これからどう生きて働くのがいいのか」と迷う大学生や、社会に出て間がない若い人へ。また、その親世代にも。お金のことでなるべく悩まず、自分らしく生きていく知恵が満載です。

この本の、ここが読みどころ!

 本書は、がんで余命宣告を受けた山崎さんが、大学生になった息子に向けて実際に書いた手紙がもとになっており、「どうしても知っておいてほしいこと」が詰まっています。

 経済評論家としての知見から、「人と同じように働く」「リスクを取らない」……ということがどうしてダメなのか、資本主義の構造から、ズバリ解き明かします。また、山崎さんが最後にたどり着いた「幸福の秘訣」は、大きな感動で包まれ、すべての人に生きる希望を与えてくれると思います。

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編集者の制作秘話

 ご体調に波がありましたが、最後まで楽しそうに書き進めていただきました。本書にも「お酒の飲み方」が出てきますが、お元気なころは大変お酒に強く、ワインやウイスキーがお好きでした。ご病気によって飲めなくなってしまいましたが、「お酒が飲めなくなったので、今度は(ドラマ『相棒』の)右京さんのように紅茶とスイーツに詳しくなろうと思う」と明るく話していらっしゃったのが心に残っています。

 そうした山崎さんの人生への前向きな姿勢が、本書の不思議とさわやかな読後感につながっているように思います。「息子にも、読者にも、本書が経済と付き合う上で、いつまでも役に立つにも『明るい人生マニュアル』であることを、著者は心から願っています」とあとがきにあるように、いつまでも読み継がれることでしょう。

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本の中身をちょっと読む!