大変多くのご質問を頂いたので、今回は、幾つかまとめて答える回も作りたい。今回は、投資にあまり関係のない質問3つに答えてみたいと思います。



 

【質問】歴史上で大好きな人物は誰ですか?


 

【回答】

 正直に言って、私の歴史に関するインプットは、子供の頃に親とNHKの大河ドラマで見た話という程度のものでしかありません。大学受験の選択科目も「政経」と「地理」でした。私は、どちらかと言うと「歴史嫌い」に属します。

 歴史上の人物で好きなのは圧倒的に織田信長です。彼のしがらみに囚われない発想と行動力は良い意味で日本人ばなれしていて素晴らしい。中学生くらいの頃には、将来男の子を持つことになったら信長と名付けるか、というくらいに考えていました(本当にそうしたら、子供には迷惑だったでしょうね)。

 大河ドラマのようなものは、たいてい織田信長が死んだ辺りで興味が失せます。今までいろんな俳優さんが信長を演じていますが、一番印象に残っているのは『太閤記』の高橋幸治さんです。現在放映中の『どうする家康』はドラマの作りに賛成しかねますが、信長役の岡田准一さんはエキセントリックな感じがかなりいい。歴代ベスト3に入る信長ではないか。

 信長不在の時代劇の設定で、心が動かされるものは殆どありません。

 余計な話かも知れませんが、特に嫌いなのが明治維新の物語です。あれは、そもそも話のスケールが小さいし、双方の建前がつまらないし、人間関係の気遣いだのがサラリーマン物語のようで、見るたびに日本にガッカリします。

【質問】山崎先生の死生観について知りたいです。山崎先生のお話は何かに忖度することもなく、合理的で頷かされる事ばかりです。
 そこであえて死んでからの事も含まれる死生観についてお聞きしたいです。死んだらどうなるかということは誰にも分からないので合理的に考えられない部分が出てきます。そこも含めたお考えを教えていただけたら幸いです。

【回答】

 死後の世界に関しては、大きな括りでは不可知論です。分からない。死後の世界や魂の世界があることを否定は出来ませんが、確たる根拠無しに他人が作った物語を信じるのはばかばかしいと思っています。

 実感としては、生きている肉体がなければ「快」も「不快」もないので、当面理解可能な範囲で生きている時間を大切にしたいと思っています。死後に自分がどう感じるかという設定では物事を考えていません。ただ、想像しうる死後について現在の自分がどう感じるかについては意識と価値判断の範囲内です。

 行動の選択肢やそもそも言葉のような考え・表現する手段の大半が「他人が作ったもの」ですが、それでも選択や場合によっては創造の「自由」はあると思っています。そして、自由を行使した結果を引き受けなければならないところに、緊張と張り合いがあります。

 自分の死後に残るもの・残すものに関しては、自分に子供がいて、将来何をするのか分かりませんが自分の影響が残ることに関して、生物学的な満足感とでも言うべき精神的な満足感があります。子供を持たない人や、持ちたくても持てない人がいるので、申し訳ないような気もするのですが、正直な本音です。但し、子供に何かを託そうとは思っていません。元気に生きてくれれば、それでいい。

 また、最初に本を書いた時に、「これで自分が生きた痕跡が残る」とも思いました。その時、少し満足したことを思い出します。初心に帰らなくては!

 これから、という意味では、(1)正しくて、(2)出来れば面白いことを、(3)なるべく多くの人に伝えられるような本でも追加で書けると嬉しいと思っています。

【質問】終活について考えられているか、特にもし介護が必要になるまで生きた場合に、お子様の世話になるつもりなのかはたまた別の仕組みを考えていらっしゃるのか。参考にさせていただきたくよろしくお願いします。

【回答】

 私の両親と妹、および私というくらいの当事者の緩やかな合意ですが、現在の山崎家の大まかなルールをご紹介します。

 介護の必要度合いについては、親について子供が判断して、必要だと思ったタイミングで適切な施設を選んで、施設に入れていい、というのが先ずは大原則です。

(1)親が子供の人生の制約になることを避けたい、
(2)一定レベル以上の介護はプロが行った方が効率がいい、
ということの2点が主な理由です。

 その後は、施設に入った親を、その配偶者や子供などの家族が、なるべく頻繁に、明るく訪ねるという関係になることが理想的です。

 介護費用と最晩年の生活費については、決めがある訳ではありませんが、親自身が用意しておいて、子供はその予算に応じて親が入る施設や生活のレベルを決めるのが「一応の基本」です。

 私個人は、大いに贅沢しようとは思っていませんが、将来、子供に負担をかけずに済む程度のお金を稼いで蓄えることと、子供に嫌われない良い感じの老人になることが今後の課題だと思っています。