部分的に為替ヘッジを行うファンドもある

 最後に、為替ヘッジの種類についてご説明しておきましょう。

 運用資産全体に為替ヘッジをかけることを「フルヘッジ」といいます。これに対し、運用資産の一部について為替ヘッジをかけることを「部分ヘッジ(または、一部ヘッジ)」、相場状況に応じて為替ヘッジをかけることを「適時ヘッジ」といいます。

 「部分ヘッジ」は、複数資産で運用を行うバランス型に多くみられ、組み入れ資産のうち、先進国債券のみをヘッジ対象とするものが主流になっています。先述した通り、最近は円安が進んでいるので、為替ヘッジをかけていることで機会損失が生じ、結果としてファンドの運用成績も低下しています。

 その投資信託が為替ヘッジを行うかどうか、また、為替ヘッジを行う場合の具体的な種別については、目論見書で確認することができます。

 目論見書の表紙(またはその次のページ)に記載されている、投資信託協会の属性区分の一覧表に「為替ヘッジ」という項目がありますので、保有しているファンドが為替変動に対してどのような対応を取っているか、一度確認してみてください。

 なお、本連載で繰り返し言及してきた通り、為替ヘッジというのはあくまでも「保険」のような機能です。円高が進行することによって追加的な収益を期待できるものではないので、その点は注意しましょう。