注目株2:安徽コンチセメント(00914)

 安徽省政府系の国有企業「安徽コンチ集団」の中核企業で、グローバルで中国建材に次ぐ規模のセメントメーカーです。部門別売上高(2021年12月期)ではセメントが59%、クリンカーが7%、セメントなどの卸売りが22%、その他(建材の卸売りなど)が12%です。地域別売上高では東部が34%、中部が31%、南部が16%、西部が17%、海外が2%です。

 2021年12月期業績は5%減収、5%減益でした。中国建材と比べて業界環境の悪かったセメントの事業割合が大きいため、減収減益を余儀なくされました。2022年12月期見通し(市場コンセンサス)は売上高、利益ともに横ばいです。

 業績見通しはあまりよくありませんが、これはインフラ投資急拡大を前提にしていないからです。同社は上海市周辺での売上ウエートが高く、ロックダウンの影響を受けやすいのですが、新型コロナを抑え込むことができた時点では、逆に強力な支援策の発動により業績が急回復する可能性があると予想します。

安徽コンチセメントの月足

期間:過去5年(2017年5月~2022年5月13日)
出所:楽天証券ウェブサイト

注目株3:中国聯塑(02128)

 プラスチック配管材料メーカーです。黄聯禧CEOが1996年、夫人とともに広東省順徳区で創業した民営企業です。部門別売上高(2021年12月期)では、プラスチック管が86%、建材が9%、関連サービス、金融サービスなどが5%。

 地域別では華南が53%、華中が11%、西南が9%、その他が27%です。製品は住宅、公共施設から、水道、下水、電力、通信、ガス、環境保護、農業、海洋養殖まで、幅広い用途で利用されています。

 2021年12月期業績は14%増収、19%減益でした。上期は前期に発生した新型コロナ禍の反動で好調だったのですが、下期に入り不動産業に対する規制の強化と債務危機、電力制限などの影響があり、通期では売上高は伸び悩みました。

 さらに、下期に発生したエネルギー、原材料価格上昇によるコストアップのため、減益を余儀なくされました。2022年12月期の見通し(市場コンセンサス)は、14%増収、16%増益です。

 政府主導のインフラ投資プロジェクトが拡大することで、業績は上方修正含みだとみています。

中国聯塑の月足

期間:過去5年(2017年5月~2022年5月13日)
出所:楽天証券ウェブサイト