インフラ投資拡大政策により恩恵を受ける銘柄に注目。セメント・建材、不動産、建機が有利

 今月の注目銘柄はインフラ投資拡大政策により恩恵を受ける銘柄です。短期間で景気を拡大させなければならないとすれば、即効性の高いインフラ投資、あるいは潜在需要の大きい不動産投資を拡大させるような政策が最も適しているはずです。であれば、セメント・建材、不動産、建設機械関連セクターが有利だと考えます。

注目株1:中国建材(03323)

 同社は世界最大の総合建材メーカーである中央系国有企業「中国建材集団」の中核プラットフォーム企業です。傘下に7社のA株上場企業を有しており、セメント、クリンカー、石こうボード、ガラス繊維、風力発電用プロペラなどでは世界最大クラスの生産規模を誇ります。

 部門別売上高(2021年12月期)ではセメントが49%、クリンカーが19%、ガラス繊維、複合材料、軽質建材、建築材料などの新材料が17%、ガラス、セメントメーカー向けに提供するエンジニアリングサービスが14%、卸売りなどその他が1%です。

 2021年12月期業績は7%増収、29%増益でした。主力のセメント、クリンカーは下期、電力制限、燃料となる石炭価格の上昇などで業績の足を引っ張ったのですが、石こうボード、ガラス繊維、リチウム電池セパレーターといった新材料の価格が上昇、業績をけん引しました。2022年12月期見通し(市場コンセンサス)は1%増収、11%増益です。

 セメント、建材からエンジニアリングまで幅広く手掛ける同社は、インフラ投資拡大政策で大きな恩恵を受けると予想します。

中国建材の月足

期間:過去5年(2017年5月~2022年5月13日)
出所:楽天証券ウェブサイト