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相場の揺り戻し(円安)は起こるか?円高の修正見通しとその根拠
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

相場の揺り戻し(円安)は起こるか?円高の修正見通しとその根拠

2012/1/26
数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍する石原順氏による外国為替市場レポート「外為市場アウトルック」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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昨年末より取り上げてきたドル/円相場の長期抵抗線の攻防は、今週に入り週足の抵抗線を上抜ける動きとなった。このテクニカルは外人投機筋が注目していたので、ドル/円が突如として動意付き78円28銭まで上昇した。78円30銭はブログ『石原順の日々の泡』でも指摘していた目先の上値抵抗ポイントであり、現在は押し戻されている。78円30銭台には200日移動平均線も控えているが、ここを上抜くともう一段のドル/円の上昇が期待できる。逆に、これを抜くまではレンジ相場を形成しよう。

ドル/円(週足) 長期抵抗線の位置する77円40銭をブレイク

長期抵抗線(赤)と一目均衡表の<雲>


(出所:石原順)

ドル/円(日足) 抵抗:200日移動平均線(青) 支持:移動平均リボン(赤)


(出所:石原順)

テクニカル的には、ドル/円月足の長期抵抗線や20カ月移動平均線、週足の一目均衡表の<雲>など、ドル/円の上値には多くの難関が控えている。また、そもそも米・英や欧州と比べて量的緩和が足りない日本円は売られにくい通貨である。

円高見通しを覆すことは難しい環境にあるが、2012年の円相場は円安に振れる可能性がないわけではない。昨年末、通貨を扱う海外ファンドのいくつかとミーティングの機会があったが、ファンドのいつくかは「ドルインデックスから見て、日本円は買われすぎである」と見ている。

以下にチャートはドルインデックス先物、ユーロ/ドル、ポンド/ドル、ドル/スイス、ドル/円の月足である。それぞれ、緑の枠が2010年相場の変動範囲、黄色の枠が2011年相場の変動範囲、赤の横線が2010年相場年足の終値である。

ドルインデックス先物(月足)

2010年相場の変動範囲(緑の枠)・2011年相場の変動範囲(黄色の枠)2010年相場年足の終値(赤の横線)


(出所:石原順)

ドルインデックス先物の水準を見ると、現在のドルインデックス先物の水準は2010年の年足の終値の水準である。つまり、平均に回帰する相場となっている。

ユーロ/ドル(月足)

2010年相場の変動範囲(緑の枠)・2011年相場の変動範囲(黄色の枠)2010年相場年足の終値(赤の横線)


(出所:石原順)

ポンド/ドル(月足)

2010年相場の変動範囲(緑の枠)・2011年相場の変動範囲(黄色の枠)2010年相場年足の終値(赤の横線)


(出所:石原順)

ドル/スイス(月足)

2010年相場の変動範囲(緑の枠)・2011年相場の変動範囲(黄色の枠)2010年相場年足の終値(赤の横線)


(出所:石原順)

ユーロやポンドも2011年相場は平均回帰相場で終わったといってよいだろう。2011年相場で円とともに強烈に買われたスイスフランでさえ、現在は大きく買い戻されていて、2010年末の水準に回帰している。

ドル/円(月足) 2011年相場は円だけ独歩高

2010年相場の変動範囲(緑の枠)・2011年相場の変動範囲(黄色の枠)2010年相場年足の終値(赤の横線)


(出所:石原順)

主要通貨の中で円だけが現在も買われ続けており、ドルインデックスの動きから大きく乖離した動きを続けている。2012年の相場では円が買われすぎの水準から平均回帰の動きを見せ、「円安方向に修正高が起こるのではないか?」という見方が、通貨ファンドの一部で囁かれている。

ドルインデックスから大幅に乖離している円高部分の修正が起きて、ドル/円相場が大幅な円安方向の修正が起こるには、「20カ月移動平均線を相場が上抜く必要がある」と筆者は考えているが、100人中95人が円高予想のご時世なので2012年相場が円安に振れる可能性も考えておくべきだろう。

ドル/円(月足) 投機筋が注目している20カ月移動平均線(赤)


(出所:石原順)

ユーロ相場は投機筋の買い戻し相場となっている。ファンダメンタルズに大きな変化はないが、昨日のユーロ/ドル相場は1.3070~1.3080辺りにあったストップ・ロス注文をヒットし、昨日は1.3120まで上昇した。ユーロ/ドルは13-21日移動平均バンドをサポートに上昇相場に入っているが、オセアニア通貨に対する戻りは鈍い。利下げや量的緩和の環境の中で欧州株の上昇はあっても、EUの財政統合の行方が見えてくる3月までは、通貨(ユーロ)の本格上昇は期待しにくいと思われる。

ユーロ/円(左)とユーロ/ドル(右)の日足とフィボナッチの抵抗線

13-21日移動平均バンド(水色)


(出所:石原順)

ユーロ/豪ドル(左)とユーロ/ニュージーランド(右)

13-21日移動平均バンド(水色)


(出所:石原順)

昨日のFOMCでは2%というインフレ目標が設定された。FRBが日本化(デフレ)を懸念している表れだ。「米FRBバーナンキ議長引き金に指かけた、QE3に一歩前進」(25日ロイター)と報道されているが、QE3実施時期については「4-6月期」と「7-9月期」に見方が分かれている。いずれにせよ、QE3の発動時期は株価と欧州債務危機の動向が決めるだろう。世界中、ジャブジャブの金余りになりそうだ。

個人消費関連のインフレ指標「PCEコアデフレーター」(前年同月比)

FRBはインフレ目標「2%」を宣言


(出所:石原順)

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