日本企業、株価上昇の可能性は?

 では、株価が上昇する可能性がどのくらいありそうなのかについてを見ていきます。

 国内企業の決算発表がピークを越えましたが、先週の個別銘柄の動向を見ると、東京エレクトロンなどのような「好材料買い」と、ソフトバンクグループのような「いったんの悪材料出尽くし買い」が併存していることや、先週末のオプション・ミニ先物取引のSQという需給イベントの通過、株価下落局面で発生した信用取引の追証(追加保証金)の対応が一巡するタイミングなどを踏まえると、需給的には株価は上昇しやすいと考えることができそうです。

 そもそも、先週の日本株の下落は、国内要因というよりは、主要3株価指数(NYダウ:ダウ工業株30種平均、NASDAQ、S&P500)が、そろって年初来安値を更新する場面があった米国株市場の流れを受けたことが大きく寄与しています。

図2 米NYダウ(日足)とMACD (2022年5月13日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 その米国株の動きを、上の図2の米NYダウ(日足)で確認すると、先日(5月3~4日)開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)後に大きく上昇する初期反応を見せました。

 次回(6月)の会合で0.75%の利上げに消極的な姿勢を示したことが好感されたわけですが、結局は金融政策の正常化ペースが早いことに変わりがないとして、翌5日の取引では急落へと転じていきました。

 結局、FOMC通過によって相場にアク抜け感が出ず、さらに、その後の6日に発表された米4月雇用統計や9日の中国貿易統計、11日のCPI(消費者物価指数)などの結果を受けてさらに下方向への意識を強めていきました。