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介入観測で騒がしいドル/円相場
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

介入観測で騒がしいドル/円相場

2011/7/28
数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍する石原順氏による外国為替市場レポート「外為市場アウトルック」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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先週のレポートで、「ドル/円は直近安値78円45銭を下抜けると3月安値76円80~20銭までサポートがない。直近の相場は不気味な小康状態となっているが、ブローカーの話では78円45~40銭レベルには逆指し値の円買い(介入警戒のストップロス注文付き)を置いている投機家が少なからずいるようで、警戒すべきだろう」と書いたが、ドル/円は昨日7月27日に77円56銭まで下落した。

ドル/円が77円台に入ったことで、動かないドル/円相場に興味を失っていたファンド勢の間でも、介入観測が話題に上がっている。「前回の介入は金曜日だった。7月29日金曜日に円高が走るようだったら介入はある」「仮に米債務上限引き上げが合意しない場合には、介入する」「円高ではなくドル安なので介入しづらいだろう」「いくらなんでも76円台に入れば介入はあるだろう」「日本の当局は本音では円高がいいと思っている。だからデフレ政策をとっている。輸出企業がうるさくなれば介入するだろうが、押し上げることはない。80円があれば戻り売りだ」「円高のスピードがゆっくりで、介入のしようがない。やれば海外から総スカンを喰らうだろう」「日本の当局が気にしているのはウォン/円や中国元/円のレートだ。韓国の介入を正当化するような介入はできればやりたくない」など、介入を巡る議論で騒がしくなっているのは確かだ。

筆者は当局でないので介入の有無についてはわからないが、介入観測や米債務上限引き上げ協議の合意による反動リスクを背負いながら、投機筋はかなり神経質になっている。だから、あまり突っ込んだ局面では売買しないというファンドも多い。

テクニカル的には5月からのレンジ(82円50銭~80円00銭)2円50銭の倍返しレベル77円50銭台を昨日の相場で達成しており、ここで一旦手仕舞いを行ったファンドもいるようだ。いずれにせよ、現在の相場は「債務上限引き上げ協議の決着待ち」で、それまでは短期売買で様子をみているというのが実情だ。

ドル/円(日足)

上段:26日標準偏差ボラティリティ
中段:21日ボリンジャーバンド
下段:20日ATR(青)・オプションボラティリティ(赤)


(出所:石原順)

季節的なサイクルから言えば6月~7月はドルリバウンドのシーズンだが、ドルインデックス先物の動きをみると7月半ばからドル安となっている。本来、上がらなければいけない時期に相場が上がらなかったということは、一時的なドルリバウンド相場を挟みながらも基本的にしばらくドル安が続く可能性がある。最高値圏の円高となっていることから、逆バリをする投資家が多くなっているが、8月の相場で一段の円高が到来するリスクには注意したい。

ドルインデックス先物(日足)

上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

「この円高はいつ終わるのか?」「円の最高値はいくらくらいか?」と最近よく聞かれるが、そんなことは誰もわからない。円高の長期ターゲットに関しては、76円、75円、74円、71円、果ては50円など、様々な見方があるが、現在の長期円高トレンドはドル/円の20カ月移動平均線(現在85円レベル)を上方に抜けてくるまでは終わらないと筆者は観ている。円高のピーク水準に関しては週足の14週RSIを参考にしている。

ドル/円(週足)

上段:60週ボリンジャーバンド
下段:14週RSI(赤)


(出所:石原順)

ドル/円(月足)20カ月移動平均線(青)


(出所:石原順)

米債務上限引き上げ協議に対して、米国債市場はほとんど反応していない。米10年国債利回りは3%近辺に張り付いている。株はここにきてようやく反応を示している。通貨市場が敏感すぎるのか、米債市場が鈍感なのかわからないが、市場の連関性は失われているといえよう。

米10年国債利回り(週足)


(出所:石原順)

NYダウ(日足)


(出所:石原順)

このようなややこしい相場の中で、元気なのはゴールドとスイスである。安全資産買いとか消去法投資とか呼ばれているが、トレンドが出ているので、短期筋がこれらの商品に集まっている。豪ドルはアジア系のファンドから人気が高く、豪ドル/ドルはドル安相場の後押しで過去3カ月のレンジを上抜け、史上最高値相場となっている。結果、豪ドル/円はレンジの真ん中まで上昇してきたが、QE2.5相場では高値を買う人が少ないので、押し目待ちが無難だろう。

ゴールド先物(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ(緑)


(出所:石原順)

ドル/スイス(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ(緑)


(出所:石原順)

豪ドル/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

豪ドル/ドル(日足)

上段:21日ボリンジャーバンド2σ(青)・3σ(赤)
下段:20日ATR(青)


(出所:石原順)

先週、アジアのファンドの間では知らない人がいないと言われるファンド主宰者とお会いしたが、現在、主に取り組んでいるのはゴールドの相場だという。また、香港の当たり屋と呼ばれる機関投資家は、ゴールドの押し目買い、豪ドルの押し目買い、ユーロの戻り売りを現在のストラテジーとしていると言う。

相場観はひとそれぞれ、売買手法も人それぞれである。相場に絶対の法則はない。重要なのは資産管理、すなわちストップロス注文を置くことだ。7月末~8月相場は荒れそうなので、資産管理を怠らないようにしたい。

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