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豪ドル/円のトレードアイデア
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

豪ドル/円のトレードアイデア

2011/6/10
数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍する石原順氏による外国為替市場レポート「外為市場アウトルック」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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6月8日の米WSJ紙のコラムに「現実に引き戻されつつある豪ドル」という豪ドルに対する弱気(豪ドルの買われすぎ懸念)の記事が載った。クレディ・スイス証券のモデルでは、豪ドルは対米ドルで7%過大評価されているという。豪ドルに関しては、中国の景気減速見通し・ユーロの下落懸念(連れ安懸念)・NYダウの調整懸念(連れ安懸念)と弱気材料は出ているものの、それが現実に起こるのか否か筆者にはわからない。

相場の買いトレンドは買われすぎの先に発生し、相場の売りトレンドは売られすぎの先に発生する。だから、買われすぎや売られすぎ局面はトレンドフォロワーにとっては、絶好の稼ぎ場と言えよう。

問題は、豪ドルという通貨は結構難解な動きをする通貨であり、概ねシステムトレーダーと呼ばれる連中からは敬遠されている通貨であるということだ。豪ドルの方向性はNYダウと連動していると常々申し上げているが、株と動きが似ているということは相場の動きがランダムウォーク(無秩序な動き)となりやすいことである。

豪ドル/ドルや豪ドル/円は、基本的にトレンドの出にくい通貨である。下値は金利差からサポートされる(レンジ相場となりやすい)ことが多い。トレンドは出にくいが、時々突発的な急落相場を演じる(キャリー取引の巻き戻し)のもこの通貨の特徴だ。

上記の3点を考慮すると、過剰流動性相場で豪ドル/円という通貨を取引するには、押し目買い戦略が有効であり、突発的な急落に備えて必ずストップ・ロスを置いておくということが肝要となる。

筆者が豪ドルの取引で最も重視しているのは「ボラティリティ(変動)」のレベルであり、具体的には20日ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)と26日標準偏差ボラティリティである。

押し目買いが有効な時間帯は、20日ATR(アベレージ・トゥルー・レンジ)と26日標準偏差ボラティリティの低下期間やボラティリティレベルの低いときである。これらの指標が上昇すると同時に豪ドル/円相場が下がりだしたときは、急落に注意しなければならない。

豪ドル/円(日足) 変動幅の上昇には注意したい

上段:21日ボリンジャーバンド
下段:20日ATR


(出所:楽天証券マーケットスピード)

今回は、最近流行っている豪ドル/円の押し目買いトレードアイデアを紹介しよう。いずれも、実践で使われている手法である。相場に絶対の法則は存在しないし、誰1人未来を正確に予測できる人はいないので、このレポートに書いてあることはあくまでも参考意見に過ぎない。筆者が万人に奨めているのは「ストップ・ロスを置くことだけ」であり、売買手法は各人各様で当然だと思っている。したがって、以下の売買手法を推奨しているわけではない。

豪ドル/円の押し目買いポイントとしてファンド筋が注目しているのは、21日ボリンジャーバンドの-3σ水準である。この水準で盲目的に買ってストップ・ロス注文を置くか、標準偏差ボラティリティやATRのレベルが高い時は取引をしないというのがトレードの肝である。
手仕舞いポイントは儲かった時であり、決まり事は特にない。

豪ドル/円(日足)

上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド3σ(紫)


http://www.ishiharajun.com/tool/ でトレードツールを無料ダウンロード出来ます)

トレードツールのテクニカル設定画面


(出所:石原順)

もうひとつは9日のRSIの40%割れ水準である。これも豪ドル/円の買い場として注目されているようだ。

豪ドル/円(日足)

上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
中段:21日ボリンジャーバンド3σ(紫)
下段:9日RSI(黄)


(出所:石原順)

トレードツールのテクニカル設定画面


(出所:石原順)

押し目買いや逆張りは相場の方向性に逆らってポジションを作る売買手法であり、トレンドが発生しないことを前提にしている。失敗したときのリスクも大きいので、ストップ・ロス注文を置くことは必須である。

豪ドル/円を買うということは、豪ドル/ドルの買いとドル/円の売りを持つことである。現在の豪ドル/ドルは典型的な調整相場で、ドル/円は円買いバイアスが強いものの79.50~82.50のレンジ相場の範疇を抜けていない。豪ドル/円は4月半ば以降、豪ドル/ドルは5月以降、ここまではトレンドのない調整相場である。したがって、その間の押し目買いは有効であった。

この先も豪ドル/円のレンジ相場が続くか否かは、豪ドル/ドルとドル/円のボラティリティの動向にかかっているが、筆者はこの先、豪ドル/円の押し目買いのレンジ幅が拡大するのではないかとみている。

豪ドル/ドル(日足) 5月以降、典型的な調整相場が続いてきた

上段:14 日ADX(赤)・26 日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21 日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

ドル/円(日足) 支持線と抵抗線 黄がコアレンジ・緑が拡大レンジ

上段:14 日ADX(赤)・26 日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21 日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

豪ドル/円は基本的にNYダウの動きと連動している。NYダウは現在、日足ベースで売りトレンドが発生しており、豪ドル/円は基本的に弱含みの展開となりやすい点には注意が必要だ。また、21日ボリンジャーバンドも収縮しすぎており、その反動(バンド拡大)としての深押しの可能性にも注意する必要がある(ポジションは小さくワイドレンジで)。

NYダウ(日足)


(出所:石原順)

上記の2点を考慮しながら、余裕を持って押し目を拾いたい。この先、豪ドル/円相場のレンジの幅は広がるものの、下値は買われるという展開を想定している。

豪ドル/円のサポートと支持線と抵抗線 黄がコアレンジ・緑が拡大レンジ

上段:14 日ADX(赤)・26 日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21 日ボリンジャーバンド1σ(緑)・13日移動平均3%乖離


(出所:石原順)

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