BTCはウクライナ・ショックでどう動いた?

出典:楽天ウォレット作成

 そのインフレヘッジとして、金と一緒に買われていた経緯から、BTCはデジタルゴールドと呼ばれることがあります。一方で、今回のようにウクライナで戦争が発生するとBTCは売られます。ではBTCはどういった時に売られ、どういった時に買われるのか簡単にお話ししたいと思います。

 まずリスク資産かリスク避難(安全)資産かといえば、BTCは原則としてリスク資産です。戦争のように先行きがどうなるか分からなくなると、投資家は資産を守るためにリスクを減らそうとします。その場合、値動きが激しいBTCは真っ先に売られやすくなります。

 そうした場合、投資家はともかく資産をいったん現金化しようとします。通常は現金が最も安心だからです。しかし、戦争やインフレなどリスクが究極的に高まると、その法定通貨の価値が怪しくなる場合があります。

 そうした場合は究極の避難先としてBTCが買われることがあります。お金としては生まれたばかりで、使い勝手も悪いのですが、発行者も仲介者もいないため、どこの政府にも影響を受けない性質が、究極のリスク下では魅力に感じられるわけです。

 例えば、経済制裁でルーブル安が止まらない中で資本逃避の対象として買われたり、かつてはキプロスで預金封鎖と残高に対する課税が検討された際にBTCに逃避買いが巻き起こったりしたことなどがあります。

 長らくデフレが続いた日本でも預金封鎖とハイパーインフレーションを経験していますし、国の債務がGDP対比約2倍という財政状況は当時とあまり変わりません。そうしたリスクが0%ではないならば、インフレに100%ベットするのではなく、このくらいリスクがあると思う程度の割合で資産の一部をBTCに分散投資するという考え方をお勧めします。