BTC発行額(報酬額)は、発行後の4年半ごとに半減

出典:Bitcoin.orgより楽天ウォレット作成

 この発行額(報酬額)ですが、2009年の開始時には1ブロックあたり50BTCだったのですが、約4年ごとに半分(これを半減期と呼びます)になり、2020年5月以降は6.25BTCになっています。これが一昨年からの時価総額の上昇をもたらしたといわれています。

 供給量が半分になるのだから価格は上昇するのは当然といえるかもしれません。実はこの半減期は、マイナーの報酬が減ってマイニングをやめてしまわないように、供給量を絞って価格をゆるやかに上昇させることを目指して設計されたものといわれています。

 しかし、そのことがコロナ禍の社会で思わぬ副作用を生み出しました。コロナによるロックダウンなどでGDP(国内総生産)の2~3割が失われるという惨事に見舞われた各国政府は、史上最大の財政政策と金融緩和で打ち返そうとしました。

 その当時は、正しい判断であったかもしれませんが、これは国が借金をして国民にばらまき、その借金を中央銀行が買い取るというオペレーションで、中央銀行がお金を印刷して国民に配っていることとほぼ同義でした。

 しかし、米国を中心に、そんなことを続けていてはひどいインフレになると危惧した人がインフレのヘッジとしてBTCを買い始めました。すなわち、法定通貨の発行体である政府の無節操な通貨発行が、プログラムで発行量が決められていて政府の管理を受けない新しいお金であるBTCの魅力を高めたわけです。

 昨年11月にFRB(米連邦準備制度理事会)が発行しすぎたドルの発行ペースを鈍化(テーパリング)させたことをきっかけに、BTCが価格を落としたのも同じ理由でしょう。そういう意味では、今年、ばらまき過ぎた貨幣を吸収するのであれば、価格は下がりやすいかもしれません。