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ユーロはまだ上がるのか?
石原 順
外為市場アウトルック
数社の海外ファンド運用に携わる現役ファンドマネージャー・石原順のレポートです。相場の周期および変動率を利用した独自のトレンド分析や豊富な海外情報ネットワークを用いて、為替市場のい…

ユーロはまだ上がるのか?

2011/3/25
数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍する石原順氏による外国為替市場レポート「外為市場アウトルック」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
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ポルトガルやアイルランドの債務懸念が浮上し、昨日もムーディーズがスペインの銀行30行の格下げを発表しているにもかかわらず、ユーロ/ドルが堅調な動きとなっている。ユーロ/ドルに関しては、投機筋の間でも「現水準は買われすぎた」という意見と「金利見通しから言えば中期的に1.5を超える相場になる」という意見の2つに分かれているが、2月中旬からの上げは最終5波動の上げ相場に入っており、相場の反転リスクに注意が必要な時間帯を迎えている。

ユーロ/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)・13日移動平均3%乖離線(青)


(出所:石原順)

ユーロ買いに積極的なのは中東勢で、例によって原油買いとセットでユーロを買っているファンドも多い。原油は高止まりしているが、14日ADXや26日標準偏差ボラティリティの動きをみると、2月からの上昇トレンドは既にピークアウトしている。今後の原油相場の動向は中東情勢次第であり、原油高→物価高→利上げというロジックで買われているユーロの動きもそれに影響をうけることを頭に入れておきたい。

北海原油(ブレント)先物(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド0.6σ(緑)


(出所:石原順)

一方、今週のドル/円相場は全くの膠着状態に陥ってしまった。3月17日の76円25銭をドルのボトムとしてドル高方向への反転をみているが、投機筋の予想以上に上値の重い展開となっている。3月は日本の決算月なので円買い需要も多く機関投資家も動きにくいが、4月のドル/円相場の動きで方向性が見えてくると考えている。日足をみると14日ADXや26日標準偏差は調整中で、ボラティリティいずれにせよ、81円50銭か80円50銭のどちらかをブレイクしない限り、レンジ相場が継続されそうだ。

ドル/円(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)・13日移動平均3%乖離線(青)


(出所:石原順)

ドル/円(1時間足)


(出所:楽天証券マーケットスピード)

筆者は現在、いくつかの通貨ペアでポジションを持っているが、基本は「1時間足」などの短期売買が中心で、日足でトレンドが発生しているユーロなども極めて小さなポジションしか持っていない。それは筆者が通貨のトレンドを見る上で最も重視しているドルインデックスに明確な方向性が出ていないからだ。日足ベースでは次のトレンド待つ必要がある。

ドルインデックス先物(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)


(出所:石原順)

ドル/スイス(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)・13日移動平均3%乖離線(青)


(出所:石原順)

ポンド/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)・13日移動平均2%乖離線(濃い緑)


(出所:石原順)

豪ドル/ドル(日足)

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド1σ(緑)・13日移動平均3%乖離線(青)


(出所:石原順)

東北関東大震災・中東情勢・ユーロ圏のソブリンリスクと、4月以降の相場は混迷の様相を呈している。現在の為替市場は「決め打ち」するような環境にない。

現在、日経新聞の「私の履歴書」は建築家の安藤忠雄氏であるが、本日のタイトルは「連戦連敗」である。筆者は建築家が大好きで、建築関係の書物も沢山読んでいる。建築における「設計思想」と「安全思想」は相場にも通じるものがあり、また、相場も建築と同じく芸術である。「ギャン理論」・「エリオット波動理論」・「一目均衡表」などの相場理論や、ポール・チューダーやビクター・ニーダ・フォッファーといった投機家の本を読むと、その発想は芸術の域に達していると言えよう。

「連戦連敗」といえば、相場に関わるものは誰もが等しく「負けの苦しみ」を味わうことになるけれど、相場で一皮むけるか否かは「負けを素直に認められるかどうか」にかかっている。筆者はこれまでの相場人生のなかで、「いかにうまく負けるか」だけを考えてきた。
相場は「相場で儲けたい」「相場を当てたい」という欲望のゲームとしてスタートするが、最終的に行きつくのは「資産管理」であるからだ。「資産管理」さえ怠らなければ、また良いときがくる。相場も人生も循環だ。

「戦い続ける厳しい世界でも、ときに思いもよらない形で夢がかなうことがある。だから生きることは面白いのである」(安藤忠雄)。

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