引き続き財政政策関連銘柄に注目。さらに高まる景気対策の重要性

 今回の注目銘柄は前回に引き続き積極財政政策で恩恵を受ける銘柄です。今年の全人代で示された成長率目標は5.5%前後です。足元では新型コロナが再流行しつつあり、ゼロコロナ対策による悪影響が心配されるところです。

 ロシアのウクライナ侵攻自体で中国経済が大きな影響を受けるとは見ていませんが、米国の制裁が加われば、その内容次第では影響が出ないとは限りません。

 四半期ごとに昨年の成長率を示せば18.3%、7.9%、4.9%、4.0%となっています。直近2四半期では5%を割り込んでいます。今年前半は、昨年高かった反動が出てきます。前述の要因も併せて考えると、随分とチャレンジングな目標です。目標達成には大規模な景気対策が不可欠だと予想します。

注目株1:江蘇中天科技(上海A株、600522)

 本土大手通信ケーブルメーカーです。江蘇省如東県に拠点を持つ民営の瓦メーカーが前身で、1992年から光ファイバーの製造を行っています。部門別売上高(2020年12月)では、光通信ネットワークが18%、送電ケーブルが23%、海洋ケーブルが11%、新エネルギーが3%、銅製品が6%、貿易業務が37%、その他が2%、輸出は27%でした。

 2021年12月期の業績見通しは5%増収、94%減益、2022年12月期の見通しは4%減収、2,745%増益です。2021年12月期はクアルコム向け業務でトラブルがあり、その損失により大幅な減益となりそうですが、2022年に入ってからは業績は好調に推移しています。

 1、2月は海上風力発電、新エネルギー関連が大きく伸びており、17%程度の増収、300%程度の増益となりました。景気刺激策として重視されるだろう新型インフラ投資拡大戦略や、環境関連対策の恩恵を受け、業績見通しは今後、上方修正される可能性が高いと予想します。

江蘇中天科技の月足

期間:過去5年(2017~2022年3月21日)
出所:楽天証券ウェブサイト