注目株2:曙光信息産業(上海A株、603019)

 中国科学院傘下の大手ITインフラ設備メーカーです。汎用サーバー、ストレージが主力製品で、クラウド、ビッグデータ、AIなど幅広い分野で利用されています。部門別売上高(2021年6月中間期、以下同様)では汎用サーバーとして使われるハイエンドPCが80%、ストレージが11%、ソフトウエア開発、システムインテグレーション、技術サービスなどが9%。顧客別では一般企業が51%、政府機関が29%、公共事業機関が20%です。

 2021年12月期の業績(会社発表の速報ベース、未監査)は10%増収、38%増益、2022年12月期の見通しは9%増収、32%増益です。国家イノベーション駆動発展戦略によって、情報化投資が拡大、2021年12月期は業績好調でした。2022年は景気対策として新型インフラ建設の強化が一つの重要テーマになるとみており、今後、業績見通しの上方修正が続くと予想します。

曙光信息産業の月足

期間:過去5年(2017~2022年3月21日)
出所:楽天証券ウェブサイト

注目株3:BYD(01211)

 ウォーレン・バフェットが2008年から戦略投資家として資本参加する、本土を代表する新エネルギー自動車メーカーです。バフェット(バークシャー・ハサウェイ社)の買い入れコストは2億3,200万ドルですが2021年12月末時点の時価総額は76億9,300万ドルと巨額の含み益が出ており、保有する主要15銘柄の一つとなっています。

 部門別売上高(2021年6月中間期)では自動車・部品は43%、スマホ部品、アセンブリが48%、二次充電池、太陽光発電システムが9%です。

 2021年12月期の業績見通しは43%増収、1%減益、2022年12月期の見通しは41%増収、85%増益です。2021年の販売台数は73%増加しました。新エネルギー乗用車が218%増えていて、新エネルギー自動車の比率は昨年の44%から82%へと劇的に増加しています。

 2021年は新エネルギー自動車、スマホ関連ともに売上は好調でした。ただ、事業急拡大による粗利益率の低下から利益は横ばい見通しです。2022年はコスト増加分を増収効果で吸収し、大幅増収増益予想です。中国市場では新エネルギー自動車が急成長期に入っており、ファンダメンタルズの見通しはよく、また、政府による支援策も期待できそうです。

BYDの月足

期間:過去5年(2017~2022年3月21日)
出所:楽天証券ウェブサイト