先週の結果

日経平均は一時2万7,594円まで下げるが、週末は買い戻されて2万8,029円で引ける

 先週の予測では、前週末の26日(金)に南アフリカでの新しい変異株への警戒感から日経平均は▲747円の2万8,751円(ザラ場では▲893円の2万8,605円)の暴落となったことで、新しい変異株の影響を見極めるところとしました。

 今年になって日経平均は年初の2月16日の3万714円を高値に、8月20日で2万6,954円の安値をつけました。ここを当面の底値に、10月6日の2万7,293円、10月25日の2万8,472円、11月11日の2万9,040円と下値を切り上げる動きとなり、11月4日の2万9,880円を高値に2万9,040円を安値とする2万9,000~3万円のボックス相場となっていました。

 この時点では日経平均の2万9,000円台は底堅く、あとは3万円突破するのを待つばかりという見方が市場では一般的でした。

 しかし、相場の先行きというのは「神のみぞ知る」で、新型コロナの新たな変異株の出現で世界の株式市場は株価の大きな下げに見舞われました。

 26日(金)の日経平均は、終値2万8,751円となって、目先の下値が堅いとみられていた11月11日の2万9,040円をアッサリと割り込み、8月20日の安値2万6,954円から続いていた下値切り上げの動きが明確に崩れてしまいました。

 11月29日(月)の日経平均は、▲467円の2万8,283円、30日(火)は▲462円の2万7,821円、12月1日(水)は、一時▲227円の2万7,594円まで下げたところで、下げ過ぎからの買い戻しが入り、+113円の2万7,935円となりました。

 しかし、翌日2日(木)の日経平均は▲290円の2万7,644円まで下げて、終値は▲182円の2万7,753円に。ここまでは10月6日の安値2万7,293円が下値のメドとして意識されているようです。週末は前日の米国株式で主要3指数そろって上昇したものの、日経平均の前場は前日の終値をはさんだもみ合いとなっていましたが、後場は上昇に転じ+276円の2万8,029円と、2万8,000円台で引けました。

 先週の動きを少し詳しく述べます。

 11月29日(月)は、前週末の米国市場は南アフリカで検出された新しい変異株への警戒感からNYダウは▲905ドルの急落となったこともあり、日経平均は▲413円の2万8,337円で寄り付き、前場は▲5円の2万8,746円まで大きく戻しました。しかし後場になると、30日より全世界の外国人の新規入国を規制するとの岸田文雄首相の発表を嫌気し、日経平均は▲564円の2万8,187円まで下げて、終値は▲467円の2万8,283円と大幅続落となりました。

 30日(火)は、前日の米国株式が主要3指数そろって上昇したことで、日経平均も前場は2万8,718円まで大幅上昇となりましたが、後場になるとモデルナ社の最高責任者が「既存のワクチンは新しい変異株には効果は低い」と発言したことを嫌気。日経平均は▲462円の2万7,821円と3日連続の大幅下落となりました。

 12月1日(水)は、前日の米国株式は主要3指数そろって大幅反落となったものの、日経平均はいったん▲227円の2万7,594円まで下げました。しかし、3日も大幅下落となっていたことで、+113円の2万7,935円と日経平均は反発しました。

 2日(木)は、前日の米国株式が主要3指数連続して大幅下落となったことで、日経平均も一時▲290円の2万7,644円まで下げて、終値は▲182円の2万7,753円と反落しました。

 週末の3日(金)は、前日の米国株式は主要3指数そろって大幅反発したことで、日経平均は前場で▲165円の2万7,588円まで下げましたが、後場になると買い戻しが入り+276円の2万8,029円で引けました。

 週末3日(金)の米国市場は、主要3指数そろって2週連続の下落となりました。

 この日は、注目の11月米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想の55.0万人増を大きく下回る21.0万人増と下ぶれし、一方で、失業率は市場予想の4.5%を下回る4.2%と改善、強弱マチマチの結果となりました。

 NYダウは+161ドルまで上昇してスタートしたものの、▲375ドルまで大幅反落し、▲59ドルの3万4,580ドルで引けました。弱い雇用統計や新型コロナのオミクロン変異株への警戒感が重しとなりました。

 シカゴの日経先物は▲280円の2万7,790円でした。