不当に低PERの銘柄は「買い」、過剰な期待で高PERの銘柄は「売り」

 さて、PER何倍だったら、株価は割安と言えるのでしょうか?一般的には、東証1部の平均PER16倍より、低ければ割安、高ければ割高と言えます。

 ただし、そういう画一的な見方には問題があります。利益の成長性や安定性が考慮されていないからです。

「PER何倍なら割安」という問いへの私の答えは、以下の通りです。

  • PERだけでは、割安割高の判断はできない
  • 利益の成長性・安定性を総合的に考慮したうえで、割安割高を判断すべき
  • 利益の成長性や安定性を考慮すると、PER10倍でも割高、PER40倍でも割安な銘柄もある

 PERが低いということは、株式市場の評価が低いことを意味します。中には、不当に低い評価を受けている銘柄もあります。私は、三菱UFJ FG(8306)・三井物産(8031)などは、高配当利回りの割安株として「買い」と判断しています。

 逆に、PERの高い銘柄で、株式市場の評価が高すぎる銘柄は、「売り」判断となります。PERの高い銘柄に入っているメルカリ(4385)BASE(4477)FRONTEO(2158)は、10月30日の株式投資アカデミーでの私の講演「日経平均4万円への道のり、ディープ・バリュー&ハイ・グロース投資戦略」の中で、ハイ・グロース株候補としてご紹介した3銘柄です。

 その後1カ月で、メルカリは株価が13%上昇、BASEは18%下落、FRONTEOは71%上昇しました。FRONTEOは、AI分析で成長する有望企業だと思っていますが、それにしても短期的に株価が上昇し過ぎたので、そろそろ売った方が良いと思います。

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