先行して動き出したテーマ:eコマース、ゲーム・アニメーション

 まずはeコマースです。下のEC化率(全体の取引における電子取引の比率)のチャートをみると、日本は世界平均(18%)の半分程度とかなり低い水準にあります。

 ただ、今の水準に至るまでの推移を見ると成長スピードはかなり速いことが分かります。つまり、遅れた分成長余地は大きい、と言えるのです。

出所:経済産業省 2020年電子商取引に関する市場調査, 英国・韓国のEC化率はGlobal X集計

 また、オンライン取引を行うためには、クレジット・カードや電子マネーなどのキャッシュレス決済が必須であり、eコマースの成長には欠かせない存在です。上記のEC化率と同様に、日本におけるキャッシュレス決済の比率はかなり低い水準ですが、比率の推移をみると急速に上昇しています。

 キャッシュレス技術はeコマース成長のためのインフラの一つで、このように成長する分野はキャッシュレス以外にもオンライン・セキュリティや物流施設や設備など複数存在し、それらを1つのポートフォリオで束ねるのがテーマ選定のキーポイントとなります。

出所:キャッシュレス・ロードマップ2021、⼀般社団法⼈キャッシュレス推進協議会(経済産業省傘下)

 デジタル変化で恩恵を強く受けるもう1つのテーマはゲーム関連です。ゲーム産業は大きくモバイル・コンソール・PCの3つに分類されます。

 下記チャートのセグメント別の規模推移をみると、モバイルゲームの成長性が最も著しいです。これはスマートフォンの普及および利用時間の急激な成長によるもので、日本の場合は他国と比べ両方とも成長の余地が大きく、モバイルゲームのさらなる成長が期待されます。

 また、コンソールゲームもモバイルゲームの成長性には及ばないものの堅調に拡大しています。ゲームソフトの流通がパッケージ流通からデジタル流通、すなわちダウンロードやクラウドなどへ急激に変化し、市場全体の規模拡大と共に利益率の改善が見られています。

 コンソールゲームは日本が世界で競争力を持っている分野であり、デジタルによる変化でテーマ関連の会社は成長を続けると期待されます。

出所:Statista, Global X Japan. 1米ドル=109.44円(2021/4/12), 総務省(日本スマホ利用), Capcom/Statista(コンソールのソフト流通)

 今回はデジタルの変化によって注目を浴びているデジタル関連テーマを調べてみました。繰り返しになりますが、日本でのデジタル・トランスフォーメーションはまだ黎明(れいめい)期と言えます。日本の変化はもちろん、世界的な競争力を持つ企業の誕生を楽しみにしています。

 また、2021年12月4日(土)に開催される「楽天株式投資アカデミー」では、Global X Japanからこのような成長テーマにETF(上場投資信託)で投資することの魅力を解説致しますので、是非ご視聴いただけると幸いです。

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