今週の指標:ドル/円

 今後の経済指標が好調であれば、年末までにテーパリング(量的緩和の段階的縮小)に着手する可能性が高くなっています。パウエルFRB議長は早期利上げに慎重のようですが、方針としては年内テーパリングを開始して、来年半ばごろに終了する考えを伝えています。

 現状のドルの上昇は秩序だったドル高ではなく、1ドル=114円台後半からドル売り・円買いが増えるとみられています。

 原油価格の下落や中国恒大集団の債務問題など、ドル売り材料が広がればドルの上値は重くなるとの見方が多いようです。

先週の動き

 先週は、10月18日発表の中国7-9月期GDPの一段の減速や、米国の9月鉱工業生産指数の2カ月連続の落ち込みで、ドル売り・円買いがやや活発となりました。

 その後、FRB幹部によるインフレが年末までに弱まらなければ利上げを早める可能性の発言や、日本の9月貿易収支の赤字継続を受けて、ドル/円は一時114.70円まで上昇、2017年11月以来のドル高・円安となりました。

 その後、利益確定売りや中国恒大集団の債務問題から円が買われ、1ドル=114円を下回り、さらに22日(金)は急速な利上げは景気を停滞させるとの懸念が浮上し、長期金利が再び低下してドル売りにつながり、1ドル=113.49円で引けました。