注目の中国株4:中国高速伝動(00658)

 江蘇省南京市に生産拠点を持つ民営の高速歯車装置メーカーです。1969年に南京市の機械修理工場として設立された地方政府系企業が前身ですが、現在の会長である胡吉春氏(41歳)の父親の胡日明氏(71歳)が1998年に経営トップとして入社、同社を高速歯車ボックスメーカーとして大きく発展させました(年齢は2020年12月末時点)。

 VIE(変動持分事業体)スキームによる企業リストラを経て2007年にケイマン諸島に本社を置く企業として上場。大株主の資本移動があり、現在は豊盛控股有限公司(00607)が実質的に74%の権益を持っています。

 部門別売上高(2020年12月期)は風力発電用ギアボックスが76%、工業機械用が10%、鉄道用が2%。その他、石油製品、電解銅、鋼材などの貿易が12%です。国別売上高では中国が83%、米国が10%、欧州が2%、その他が5%です。

 2020年12月期業績は、58%増収、129%増益でした。貿易業務の開始、非採算部門の売却などが大幅増収増益の主な要因ではありますが、政策による受注増、製品の多様化、大型化、海外展開などがうまくいき、主力の風力発電用が42%増収と好調です。第14次五カ年計画の始動により好業績が続くと予想します。

注目の中国株5:東方電気(01072)

 親会社である中国東方電気集団は1958年、四川省徳陽市において水力発電設備工場として設立された中央系国有企業であり、中国の電力供給において重要な役割を果たしてきた国策企業です。同社はその中核子会社で世界最大の発電設備メーカーです。

 部門別売上高(2020年12月期)では、火力(石油、天然ガス、石炭)、原子力発電などの高効率クリーンエネルギー設備が30%、風力、太陽光、水力発電などの再生可能エネルギー設備が27%、発電所のエンジニアリング・物流が13%、金融・発電サービスが13%、水素エネルギーなど新興成長産業が17%、輸出は11%です。

 2020年12月期業績は14%増収、46%増益でした。政策の恩恵を受けて再生可能エネルギー設備の売上高が70%増加しました。利益面では為替差益の発生、不良債権処理費用の減少などが貢献しました。同社は1-3月期の決算も公表していますが、33%増収、60%増益と好調を維持しています。コロナ禍の反動も加わり、1-3月期の新規受注は32%増です。

 今後もグローバルで環境対策は重視され、風力発電など再生エネルギー設備関連の需要は伸びると予想します。