中国市場・注目は国策の恩恵を享受する2セクター

 今月の注目セクターは国防軍事工業とクリーンエネルギーです。規制が強化される産業がある一方で、国家支援の拡大が期待できる産業もあります。今回はそうした産業の中から代表的な2つのセクターを選びました。

注目の中国株1:アビチャイナ(02357)

 戦闘機、軍用輸送機、ヘリコプターなどの製造は防衛戦略上重要です。国務院直属の中国航空工業集団(AVIC)が長年、その開発・製造を主導しています。アビチャイナは、AVICの中核企業として、航空機・部品の製造を行っています。

 製品は民用、軍用のヘリコプター、教練機、農業用をはじめとした多目的航空機などです。製品売上高(2020年12月期)は全体の38%を占めています。一方、航空電子製品や付属品など部品関連が50%、設計、コンサルティングなどの航空エンジニアリングサービスが12%を占めています。

 2020年12月業績は14%増収、48%増益でした。コネクターなどの航空電子部品が19%増と好調であったことから全体でも二桁増収を達成。粗利益率の低下を販管費の節約などで吸収し大幅増益を達成しました。中間期についても、主要子会社のヘリコプターの売り上げは好調で、全体として増収増益基調が続く見通しです。

 国家が展開する「航空強国」の実現に向けて、同社はヘリコプター分野を中心に事業規模の拡大を進めています。今後も国家戦略による後押しが業績を押し上げると予想します。