あえて、コモディティ(商品)だけで分散投資をする方法を考える

「金(ゴールド)は、資産の10%程度、持ちましょう」と、しばしば耳にします。株式などの資産を保有している人が、どの程度の割合で金を保有するべきか、という問いへの回答です。この10数年間、筆者が各所で耳にしてきたこの問いへの回答は、おおむね「10%」で変わっていません。

 その時の金(ゴールド)市場を取り巻く環境や、その人がどのような株式を保有しているかなど、条件はさまざまです。このため、どの程度金を保有するのが妥当かという問いに対し、万人に通じる一つの答えを導き出すことは難しいと筆者は感じています。

 この議論は、割合が50%や80%ではなく、(おおむねいつも)10%であることを考えれば、金(ゴールド)が、資産全体のわき役である(メインにはなり得ない)、ことを伝えているのだと思います。

「その人、その時に合った、金(ゴールド)の保有比率」については、また議論をすることとし、今回は、あえて、コモディティだけで完結する分散投資をテーマにしたいと思います。複数のコモディティの個別銘柄を一つにまとめたコモディティ指数への投資と、複数の貴金属銘柄でポートフォリオを組む投資手法について述べます。