コモディティの代表的な指数は、紆余(うよ)曲折を経て、6年ぶりの高値水準で推移中

 以下は、複数の国際商品の総合的な値動きを一つにまとめた代表的な指数、リフィニティブ・コアコモディティーCRB指数(以下CRB指数)の推移です。リフィニティブの資料によれば、2020年4月時点で農産物、エネルギー、金属など合計19銘柄の値動きが考慮されています。

図:CRB指数の動き

出所:ブルームバーグのデータより筆者作成

 足元、約6年ぶりの水準まで上昇しています。2000年以降の目立った上昇の背景を確認すると、新興国の台頭、リーマンショック後の世界的な大規模な金融緩和(米国では2009年から2014年まで3度にわたり断続的に行われた)、そして現在の新型コロナの感染拡大によって負ったダメージを回復させるべく行われている現在の金融緩和などが挙げられます。

 下落時の背景には、リーマンショック、バーナンキショック、逆オイルショック、新型コロナショックなど、数々の「ショック」が冠された、株式やコモディティ市場で発生した広範囲の下落劇が挙げられます。各種「ショック」が発生した背景は、以下のとおりです。

・リーマンショック: 2008年9月、米国で信用格付けが低い人向けのローンの回収が行き詰まり、大手金融機関(リーマンブラザーズ)が破綻したことをきっかけに発生。

・バーナンキショック:2013年5月、当時のFRB議長だったバーナンキ氏が金融緩和を終了させることを明言し、それを各種市場が悲観的に受け止めたことで発生。

・逆オイルショック:2014年12月、原油相場が下落する最中、OPEC(石油輸出国機構)が減産実施を決定せず、OPECが原油相場の下落を容認して原油相場の下落に拍車がかかったことで発生。

・新型コロナショック: 2020年3月、WHO(世界保健機関)が、新型コロナが世界的な大流行(パンデミック)となったと宣言したことで発生。

 CRB指数は、足元、こうした紆余曲折を経て、6年ぶりの高値水準で推移しています。