上放れ、または下放れはいつ?

 日経平均は、今しばらく上下とも大きくは動きにくい展開が続きそうです。ただし、いずれどちらかに動き出すことになります。それはいつ頃になるでしょう?メイン・シナリオとリスク・シナリオの2つで考えてみます。

【1】メイン・シナリオ:秋口にかけて、上放れ

 日本は、ワクチン接種・景気回復が遅れています。ただし、いずれワクチン接種が進み、米景気好調の恩恵も受けることで、日本の景気回復も遅れて鮮明になってくると考えています。
そうなると秋口にかけて日経平均は上放れし、年初来高値(2月16日の3万467円)更新をトライすると予想しています。

【2】リスク・シナリオ:年末にかけて、下放れ

 日本の景気回復の遅れが長引くと、日経平均は上下とも動きにくい展開が長引くと考えられます。そのうち年末にかけて米景気が過熱し、過熱の反動で来年には失速が懸念されるようになると、米国株が下落、つれて日経平均も下放れすることになります。

 私は【1】メイン・シナリオに従い、今は日本株を買い増しする局面と判断しています。メイン・シナリオが実現するか、リスク・シナリオの可能性が高まるかは、今後の日米景気動向にかかっています。今後、日本の景気回復色がどれくらい強まるか、米景気の過熱懸念がどれくらい強まるか、慎重にウォッチしていく必要があります。報告すべきことが出てきた時は、本コラムにて報告します。

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