12日の日経平均は反発、2万8,000円台を回復

 7月12日の日経平均株価は、前週末比628円高の2万8,569円となり、2万8,000円台を回復しました。

 日経平均は先週、日本の景気回復の遅れを嫌気し、一時2万7,419円まで売られました。しかし先週末、米国の主要3指数(NYダウ、ナスダック総合、S&P500)がそろって史上最高値を更新したことを受けて、さすがに12日は買い戻しが入りました。

NYダウと日経平均の推移:2020年10月1日~2021年7月12日(NYダウは7月9日まで)

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 ワクチン接種の遅れから、日本の景気回復がもたついていますが、先週はそれに追いうちをかけるように、「五輪無観客」「東京に4度目の緊急事態宣言」が発表され、日本の景気回復がますます遅れると嫌気した外国人投資家の売りが出たと考えられます。

 そうはいっても、日本もいつかワクチン接種が進めば、いずれ米国のようにリベンジ消費(コロナ禍でできなかった消費がまとめて出ること)が盛り上がる局面が来るはずです。景気回復の「遅れ」を理由に売られている日本株は、今「買い場」と判断しています。

 ところで、目先の日経平均に大きな影響があるのが、これから本格化する4-6月決算発表です。ポジティブ・サプライズ(良くて驚き)の決算を発表する銘柄が急騰し、ネガティブ・サプライズ(悪くて驚き)を発表する銘柄が急落する、決算の季節に入ります。

 内需サービス産業が不振なのはわかっていますが、米国・中国景気回復の恩恵を受ける製造業の業績がどれだけ回復しているかが注目点です。

 今、原油価格をはじめとした資源価格が一斉に上昇しています。今日は、それが日本の企業業績に及ぼす影響について書きます。