日経平均は2万9,000円水準でのもみ合い

 今週の日経平均株価は、2万8,500~2万9,500円のボックス圏の中で、2万9,000円水準を中心としたもみ合いが想定されます。

 日経平均が2万9,000円台で上値が重いのは、コロナワクチン接種の進展度合いはスピードを増しているものの、新型コロナウイルス変異株の感染拡大が東京で進んでおり、今週は、この感染者数が市場の関心を集めることになりそうです。

 五輪を控え、変異株が広がれば、再び経済停滞の懸念も高まり、相場の重荷となります。

 そうした中、週後半には米6月雇用統計があり、内容によっては、このレンジの範囲では収まらない場合も考えられます。

 日米のチャートの動きから、当面の動きを見てみると、NYダウの日足は3万4,000ドル近辺の保ち合いを下放れしており、上昇を確認するには6月1日の高値3万4,849ドルを終値で上抜く必要があります。

 日経平均も21日に2万7,795円まで急落しましたが、23日には2万9,000円まで戻し、週の終値では2万9,066円となって、急落前の水準を取り戻しています。

 日足チャートは、保ち合いをいったん下放れしていますので、再上昇を確認するには75日移動平均線(2万9,072円、25日時点)や、15日の高値2万9,480円を終値で上に抜く必要があります。

 米国株が堅調で、為替も一時1ドル=111円をつける円安となったこともあり、日経平均が上昇に転じていくことも考えられます。そのためには、7月4日の東京都議会議員選挙で、自民党が勝つことがポイントになりそうです。