先週の結果

週初は2万9,480円まで上昇。その後、3日続落で2万9,000円台を割る

 先週の予測では、2万9,000円前後のもみ合いが煮詰まっており、上か下への動きとなる局面としました。

 直近の動きとしては、下値は25日移動平均線(2万8,621円、10日時点)、上値は75日移動平均線を少し上に抜けた7日(月)時点の高値2万9,241円とし、ここを上に抜けると上放れの形になるとしました。

 柴田罫線でも2万9,241円以上の引線で引けると、買い法則「ろく買」になるとしました。

 結果的に15日(火)に前日のナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことで、日本市場でもハイテク株が買われ、日経平均は、一時2万9,480円まで上昇し、終値では+279円の2万9,441円となりました。

 日経平均の形としては、目先、三角保ち合いの上放れでしたが、柴田罫線では上昇が少し足りず、買い転換まで上昇できませんでした。

 結果的には、その後、3日連続安となり週の終値は▲54円の2万8,964円と2万9,000円を割り込んで引けました。

 理由は、15日(火)の+279円の2万9,441円の上昇が、FOMCを前に楽観的な見方から、ドル安・円高で為替が推移し、値がさハイテク株中心に買われたためでした。 

 16日(水)は、翌日のFOMCの結果公表を前に持ち高調整の売り優勢となって▲150円の2万9,291円となり、さらに17日(木)は注目のFOMCでは2023年末までに2回の利上げの可能性が示唆されました。

 このため、インフレ見通しが引き上げられたことで、長期金利が上昇し、ドル買いで110円台半ばまで上昇し、NYダウは▲265ドルの3万4,033ドルとなりました。 これを受けて日経平均は▲272円の2万9,018円と大幅続落となりました。 

 週末の18日(金)は、前日のナスダックが大幅反発(NYダウは▲210ドルと4日続落)したことで、ハイテク株が買われ+118円の2万9,136円で寄り付くものの、その後、伸び悩み、後場になると下げに転じました。

 この日の日本銀行の金融政策決定会合は、現状維持と想定通りの内容でしたが、週末で新規の手掛かり材料に乏しく、先物に断続的な売りが出て、一時▲60円まで下げ、終値は▲54円の2万8,964円と3日続落となりました。

 週末18日(金)の米国市場は、早期利上げ観測が強まり、主要3指標そろって大幅下落となりました。

 セントルイス連銀総裁のインタビューで最初の利上げが2022年中になるとの見解を受け、NYダウは▲533ドルの3万3,290ドルと5日続落の大幅下落となりました。

 10年債利回りは1.443%と前週比0.07%と低下し、金融セクターは下落となりました。

 柴田罫線では、NYダウは5月10日の3万5,091ドル、6月7日の3万4,820ドルとダブル天井に近い形からの売り転換となっており、本格調整の可能性があります。