注目の中国株5:京東健康(06618)

 JDドット・コム(09618)の子会社で医薬品、健康食品、医療機器などのネット販売を行う会社です。阿里健康(00241)の親会社であるアリババ集団と同社の親会社であるJDドット・コムとは、いずれもEC(電子商取引)のプラットフォーマーでライバル関係にあります。

 彼らは新規ビジネスでもしのぎを削っていて、同社も阿里健康(00241)と同様、独自のオンラインストア(「京東健康大薬房」)を持ち、ネット販売で集客しておいて、そこからオンライン医療の展開を試みています。阿里健康(00241)同様、オンライン医療の質という点においては、まだ平安健康医療科技との差は大きいとみられます。

 決算期の違いから、3カ月ほど阿里健康の方が古いデータとはなりますが、6カ月間の売上高、粗利益の水準を見る限りでは、京東健康の方が規模が大きいようです。粗利益率はほとんど変わらないので、京東健康もネット販売が中核ビジネスに留まっているとみられます。

京東健康と阿里健康の事業規模の比較

単位:百万元
出所:各決算書より筆者作成(京東健康は通期、中間期データより算出)

 2020年12月期業績は79%増収、172億3,436万元の赤字(前期は9億7,181万元の赤字)でした。

 大幅な赤字が発生していますが、2020年12月8日に上場した際、転換優先株を普通株に転換したのですが、そのために175億元の評価損が発生したからです。

 EC取引会社の持つ流通網の力は大きく、阿里健康同様、そこが評価のポイントとなります。