確定申告しなくてもよいものを確定申告したら、住民税はどうなる?

 例えば、配当金の税金は、所得税では次の三つの方法を選択できます。

(1)確定申告しない(申告不要を選択)
(2)総合課税により確定申告
(3)申告分離課税により確定申告

 これらのうち、ご自身にとって最も得になる方法を選択すればよいのです。

 ところで、所得税の確定申告をすると、その情報はお住まいの市区町村へ送られ、住民税の課税計算の根拠となります。つまり、配当金の確定申告をすることにより、自動的に住民税についても、所得税と同様の内容で確定申告したとみなされます。

 原則として配当金については、配当金以外の所得を含めた課税総所得金額等が900万円以下であれば、所得税では申告不要を選択するより、総合課税で確定申告をした方が有利です。

 では、住民税も同じように総合課税による確定申告をした方がよいのでしょうか?

所得税では有利でも、住民税や公的保険料計算上では不利になる場合も

 実は、株式の配当金や売却益について、所得税と住民税とで同じ内容で確定申告をすると、「所得税では有利だが住民税や公的保険料計算上では不利になる」というケースが生じます。

 配当金であれば、所得税では総合課税で確定申告した方が有利だが、住民税では総合課税だと逆に税額が増えてしまう、ということが1点。

 もう1点が、配当金を確定申告することで住民税計算上の所得が増え、国民健康保険料や後期高齢者医療保険料の負担が増してしまうことです。