1:集団免疫は下半期に達成

 新型コロナウイルスのワクチンは、これまでのところファイザー(PFE)バイオエヌテック(BNTX)が共同で開発したもの、加えてモデルナ(MRNA)が開発したものがFDA(米国食品医薬品局)をはじめとする一部先進国で承認され、出荷が始まっています。

 当座は生産量が限られているため、医療関係者や高齢者などを優先する配布となります。

 米国の場合、一般市民がワクチン注射を受けることができるようになるのは早くても5月くらいでしょう。そして秋口までには十分な数の市民がワクチンの投与を受け、社会全体として集団免疫の状態が達成できるようになると思われます。集団免疫の達成は経済が活発化することを意味します。

 残念ながらその状態にいく前に、まず世界の経済は「落とし」を経験することになると思われます。その理由は今、新型コロナが世界で猛威を振るっており、人々が外出しにくい状況になっているからです。

 ワクチンが完成しているのに、自分にはそれが回ってこない……これほど市民をイライラさせることはありません。つまり2021年上半期は、そういう鬱積(うっせき)した不満が噴出しやすい状況になることが予想されます。我々の忍耐力が試されるわけです。

 株式市場的にはいまだ自由に海外旅行などできない状態が続きますので、デルタ航空(DAL)ハワイアン・ホールディングス(HA)などの航空会社、ハイアット・ホテルズ(H)マリオット・インターナショナル(MAR)ヒルトン・ワールドワイド・ホールディングス(HLT)などのホテル株、カーニバル(CCL)ロイヤルカリビアン(RCL)などのクルーズといった「リア充銘柄」の出番はしばらく回ってこないと思います。