9:投資テーマやストーリーのない「退屈な株」が見直される

 ここ数年、グロース株がバリュー株をアウトパフォームすることが続いてきた結果、現在はグロース株が極めて割高に取引されている一方で、バリュー株はより取り見取りの状況となっています。ある時点でこのバリュエーションのかい離には訂正が入ると考えるのが自然です。

 人気の投資テーマやストーリーをはやされて買い進まれた銘柄は往々にしてべらぼうなバリュエーションになってしまっているので、むしろそういうテーマやストーリーの蚊帳の外に置かれている、「退屈な株」のほうが安全で割安感が強くなっています。

 本当の意味でのバリュー投資が人気化する環境・条件がいよいよ整い始めています。

10:1年を通じてS&P500指数の上昇幅は3%前後を予想

 米大統領選挙の翌年は、4年間の任期のうちでいちばん株式市場のパフォーマンスが悪いというジンクスがあります。2021年はちょうどその年に当たります。

 2020年の3月の安値から米国株式市場は鋭角的に切り返しました。その関係で2021年は相場が少しお休みになると考えた方がよいでしょう。

 私が2021年の米国の株式市場の上昇幅をわずか+3%と控えめに予想しているのは、このような理由からです。