[番外編]金価格が下落すると利益が出る取引!?著名投資家も買った“産金株”にも注目

 産金株とは、金鉱株とも呼ばれ、金(ゴールド)の鉱山の権益を持っている会社の株式のことです。金の鉱山は、米国、オーストラリア、中国、南アフリカなど、世界各地にあり、産金会社は自分の国のみならず、他国の鉱山の権益を有しているケースは珍しくありません。

 産金株には、NY金先物や大阪金先物との相関係数が+0.8を超えるものが複数あります。金価格と連動することを目指して設計されたETFや投資信託のような相関係数の高さはありませんが、一定の連動性は認められると言えると思います。

 2020年8月、投資会社バークシャー・ハサウェイを率いる著名投資家のウォーレン・バフェット氏が、投資銀行株を売却して産金株を買った、と報じられ、話題になりました。

 それまで、“金利がつかない”ことを主な理由に、金(ゴールド)への投資に否定的なスタンスをとっていたバフェット氏でしたが、金鉱山株の一つ「バリック・ゴールド(外国株(GOLD))」の株式を保有しました。

 また、2019年には、米IT主要企業の頭文字をとった「FANNG」ならぬ、「BAANG」というキーワードで産金株に注目が集まったこともありました。BANNGとは、Barrick Gold:バリック・ゴールド(GOLD)、AngloGold:アングロゴールド・アシャンティ(AU)、Agnico Eagle Mines:アグニコ・イーグル・マインズ(AEM)、Franco-Nevada:フランコ・ネバダ(FNV)、Gold Fields:ゴールド・フィールズ(GFI)です。

 産金株は、一定の連動性が認められるため、疑似的に金(ゴールド)に投資をしている効果が期待でき、同時に、その会社が配当を出せば、配当金を受け取ることができます。ある意味、金利がつかない金投資のデメリットを補完しながら、金に投資ができるのが、産金株への投資と言えます。

図:その他の金(ゴールド)関連の投資商品

出所:各種資料をもとに筆者作成
※最低投資金の額は2020年12月23日時点
※海外ETF・産金株の最低投資金算出時、ドル/円は103.63円とした

 また、金価格が下落すると利益が出る取引もあります。先述の、国内商品先物の「金スポット」は、新規取引の際、値上がりを見込んだ“買い”だけでなく、値下がりを見込んだ“売り”の取引もできます。新規取引で“売り”をした場合、思惑に反し価格が上昇した場合は、損が発生します。

 また、上図の「NEXT NOTES 日経・TOCOM 金ベア ETN 国内ETN(2037)」は、金価格が下落することが予想される時に買う、投資商品です。

 この銘柄の、大阪金先物やNY金先物との相関係数に注目すると、-0.98前後です。相関係数は+1から-1の範囲で決まりますが、-1に近ければ近いほど、2つの銘柄は逆の動きをしていることを意味します。

 金価格が下落(上昇)する時、NEXT NOTES 日経・TOCOM 金ベア ETN 国内ETN(2037)が上昇(下落)することを目指す、商品設計になっているためです。

[番外編]で書いた、金価格が下落すると利益が出る取引や、著名投資家も買った“産金株”も、10万円以下で取引できる金(ゴールド)関連銘柄です。金価格と相関係数が高い銘柄と合わせて、ご注目ください。